2011年02月19日
2010年個人的漫画ランキング!(少年・少女マンガ編)
さて、今回は少年マンガと少女マンガ編です!(^O^)/
マンガはいまや全世代が読むものになりました。
親が読んでいたマンガを子どもが読み継ぎ、あるいは子どもが読んでいるマンガを親も一緒に読むことも増えました。
なので、もとから読者を大人に想定した青年マンガ・女性マンガに素晴らしいマンガが増えることも素晴らしいことであると同時に、読者層を少年少女に設定した良作がたくさんあることが、マンガ文化に一層の深みと時間を超えた継続性を与えてくれるように思います。
ところで、少年マンガや少女マンガは、直接「原体験」的に飛び込んでくるものだと思っています。
つまり、その読者の行動基準を変えたり、作り出したり、ときには人生だって変えてしまうパワーがある作品が良作だと思っています。
話がおおげさなように見えるかもしれませんが、実際、『キャプテン翼』によってサッカーを始めた選手が世界的な選手になったように。
あるいは『スラムダンク』によってバスケを観る層も実際にプレイする層も増えたように。
『ガラスの仮面』で演劇の見方が変わったり、演劇にのめり込んだひとも多いでしょう。
そんな風に、「こうなりたい!」や「こういう人に出会いたい!」など、生き方に直接影響を与えるものだと思うのです。
……あ、そういえば昔、よど号ハイジャック事件犯人たちは「われわれは『明日のジョー』である!」なんてセリフを残していたんでしたっけ。。。(; ̄∀ ̄A
少年漫画部門:
少年マンガ部門と少女マンガ部門は、1位と次点のみをご紹介しますね。
もちろん、たくさんの佳作はありますが、順位は非常に決めにくいです。
その中でも、「これは飛び抜けている!」と思える作品だと、2つずつくらいになるのかな、と感じています。
1位
渡辺航著『弱虫ペダル』(秋田書店)
もうこれは文句なしです!
仏契もとい、ぶっちぎりです!!!ヾ(。`Д´。)ノ
これまで、ロードレース漫画のバイブルは曽田正人著『シャカリキ!』でした。
もちろん、『シャカリキ!』も今読んでも面白いのですが、この漫画は『シャカリキ!』を超えて新たな金字塔を打ち立てたと思います。
※ちなみに、以前書いた『弱虫ペダル』と『シャカリキ!』の対比について書いた記事はこちら。
『いまチャリンコが熱い!』
連載当時、一部のマンガ読者からは『スラムダンク』よりも面白いマンガがある!と話題になった『シャカリキ!』。
(作者の曽田正人先生は、現在は『Capeta』、『昴~MOON』を描いています。どちらもとても素晴らしい作品です。)
そして、『シャカリキ!』はやがて自転車乗りのバイブルとして読み継がれるようになりました。
この『弱虫ペダル』の主人公は、『シャカリキ!』と同じクライマータイプで、しかも掲載紙は同じく『週刊少年チャンピオン』ですが、タイプはまったく違います。
『絶対に負けない!』と走っていたのが『シャカリキ!』をはじめ、これまですべての自転車漫画でした。
しかし、『弱虫ペダル』の主人公は、勝つことよりも、ただ「みんなと一緒に走りたい」という、絆のためだけに走る主人公なのです。
ゆえに、トップ争いをしていても、チームメートが遅れたという情報を聞けば、仲間を引くために最下位まで戻って献身的にアシストさえします。
これまで「勝利絶対至上主義」の少年漫画にはいなかったタイプの主人公です。
また、敵役も正々堂々卑怯で強かったり、ライバルチームの面々の生きざまの描かれ方も素晴らしいとしか言いようがありません。
3巻でママチャリからロードに乗り換えたところからが、実質物語の始まりです。
そして、インターハイ1日目の激闘は、『シャカリキ!』についに匹敵する自転車漫画が現れた!と衝撃を与えてくれたものです。
現在、インターハイ2日目。
この面白さは完全に『シャカリキ!』を超えたと感じています。
主人公、さらには味方チーム不在でも、ライバルチームの闘いだけでもとにかく熱いです!
まだまだ面白くなりそうな予感です!
そして、この漫画を読むと、自転車に乗りたくなります!!
実際、この『弱虫ペダル』の影響で、沖縄本島を自転車で一周したりしてしまいました!
※沖縄一周の紀行文全部を載せると長くなるので、一部抜粋。
『沖縄一周チャリンコ爆走記:5』
ちなみに、夏に北海道の新千歳空港から宗谷岬まで自転車で走ったのは、羽海野チカ著『ハチミツとクローバー』という少女マンガの影響でした!
※こちらも北海道チャリンコ旅の長い紀行文から一部抜粋です。
『北海道ほぼ縦断チャリンコ爆走記:6』
次点:
浅田弘幸著『テガミバチ』(集英社)
まず、絵の美麗さといったら!
ペンだけの画力も確かなので、安心してみていられます。
それ以上に、カラーはどうやって描いているんだろう?と思うほど芸術的です。
人工太陽が首都のみを照らしている世界なので、まるで月夜や星降る夜にいるような、深い藍色や青を基調とした色合いの世界。
カラーページを眺めているだけでうっとりとしてしまいます。
この浅田弘幸先生は、バスケ漫画の名作『I’ll(アイル)』の作者です。
いつもはどこかとんがった感じの主人公でした。
けれど、この『テガミバチ』は、泣き虫の心やさしい少年が主人公のファンタジーです。
「BEE」と呼ばれるテガミの配達屋。
ひとの思いのつまったテガミを届けるのには、鎧虫とよばれる危険生物が襲いかかることもありますし、「BEE」という職業自体に偏見を持つひとたちもいうる世界。
それでも、テガミを書いた人の「ココロ」を届けようと、主人公のラグは一生懸命に奮闘するのです。
とても温かな、そしてちょっとせつなくなる素敵なお話です。
主人公のラグ・シーイングは、ことあるごとにボロボロと大粒の涙を流して泣きます。
それは、誰かの気持ちを思いやって、共感して、泣いてしまうのです。
もしかしたら、今の時代、最も必要になってくる力は、この主人公のラグみたいな「共感力」じゃないかなぁ…と思うのです。
地域共同体のつながりが切れ、それぞれが孤立した生き方を迫られる現代。
「無縁社会」という言葉はもはや老人だけのものでなく、若者にも深刻に当てはまる問題なのだそうです。
そういった、もはや地域共同体の復権は期待できない中で、ひとの気持ちを思いやったり、共感できる能力を育むことこそ、人々が「ともに生きていく」ことの新しい作法になるのではないかと、よーかいは密かに思っているのです。
ちょっと話は飛びますが、教育も、そういった「共感力」を育てることが大事なのではないかと思うのです。
少女マンガ部門:
少女マンガは、女の子のためだけのものではありません。
例えば『ハチミツとクローバー』や『のだめカンタービレ』のように、男性読者の多い作品もたくさん増えています。
少女マンガの佳作の条件は、二つに分かれると思います。
それは、男性も女性も大人も子どもも、全世代・全性別の読者が楽しめる作品、もしくは(恋愛感情を含め)心情をうまく描いた作品です。
心情をうまく表した作品としては、昨年は『君に届け』が大ヒットしましたね。
うん、たしかにあの作品は、高校生の恋愛感情や心情をうまく描いていると思うのですが、一方で個人的には推しにくいのです。
だって、あの作品をもし風早くん(男性のメインキャラ)視点で描いたら、まったく違った作品になってしまったような気がするのです。(その意味では、風早くんは、主人公の爽子の友人が「ヘタレ」と評している姿が一番近いような…?)
少年マンガでも、少女マンガでも、相手を過剰にキラキラとしたものに見てしまうマンガは、つっこみを入れながら読むぶんには楽しいですが、どうしても頭の片隅で「なんだかなぁ…」とも感じてしまい、共感しきれなかったりします。
そういう意味で、ちゃんと俯瞰的な視点、相対的な視点で描けている作品が個人的には好きです。
きちんと双方向の視点が持てている少女マンガは、繊細な機微をつかむのがうまく、ある意味単純な話が多い少年マンガよりも心をつかまれる確率が高いように思うのです。
1位
東村アキコ著『海月姫』(講談社)
これはフジテレビの『ノイタミナ』枠でアニメにもなりましたね。
せつない恋愛もの、ギャグ漫画、シンデレラストーリー、レトロな共同生活もの……人によってさまざまな見方ができるお話です。
ある意味、ベタな少女マンガストーリーに、オタク要素やシュールなギャグを入れたり、物語の核になる男性ヒーロー的な人物はいわゆる「男の娘」だったり…と、さまざまなネタがちりばめられています。
カオスになりそうなところを、ギリギリのバランスで、ちゃんと芯のある独自の世界観を作り出している傑作だと思います。
また、どこか昭和レトロな感じです。
それは主人公達の住む「天水館(あまみずかん)」という建物に始まり、ギャグなんかも昭和の世代を知らないとわかんないんじゃないんだろうか?というようなマニアックなものまで。
とにかく、次の展開がどうなるんだろう?とドキドキしながら一気に読んでしまいます。
また、この作品を読むと、思わず水族館に行ってクラゲが見たくなります。
実際、よーかいはこの作中にもでてきている江ノ島水族館にまで海月を観に行きましたよ(笑)。
※そのときの記事。
『平成23年度東京都小学校教員採用試験(第2回)2次総括。』
ちなみに、SING LIKE TALKINGのヴォーカル、佐藤竹善さんも『海月姫』にハマったと、ツイッターでカミングアウトしていました☆
次点:
末次由紀著『ちはやふる』(講談社)
よーかいはこの作品を読んで、滋賀県の近江神社まで詣でました(笑)。
※そのときの記事。
『「ちはやふる」の舞台へ。』
詳しいことは上記の記事に書いてしまっていますので、それをご参照いただければと(ヲイ)。
『ちはやふる』が描いている題材はなんとカルタです!
あの百人一首のカルタ競技なのです。
このテーマを題材に、単に物語の“背景”ではなく“主題”として正面から正々堂々カルタ競技を熱く描けるなんてそれだけで驚愕です。
読んでいて体温と心拍数が上がる作品なのです。
絵は女性らしい繊細さなのに、内容の熱さといったら!
(作風は違いますが、熱量だけでいえば、島本和彦先生にも劣らないのではないかと…!)
もう11巻になりますが、その熱量が1巻からまったく落ちることがないのが素晴らしいです。
カルタというと文系のイメージですが、実際は動きや練習など、かなり体育会系です。
一方で、和歌の解釈や着物の着付け等々、日本の伝統文化を知るきっかけにもなる一冊です!
カルタ競技ってこんなにすごかったんだ!奥が深かったんだ!と目からウロコが落ち、登場人物達の情熱の圧倒的な熱量に確実にあてられてしまう作品です。
「息をつめて読む」という体験ができる作品だと保証しますですよ!o( ̄へ ̄*)むん
さてさてさて。
とりあえず、今回はこのへんで。
今年も、また新しいたくさんの素晴らしいマンガたちに出会い、感動できることを楽しみにしているのです!(*´▽`*)
マンガはいまや全世代が読むものになりました。
親が読んでいたマンガを子どもが読み継ぎ、あるいは子どもが読んでいるマンガを親も一緒に読むことも増えました。
なので、もとから読者を大人に想定した青年マンガ・女性マンガに素晴らしいマンガが増えることも素晴らしいことであると同時に、読者層を少年少女に設定した良作がたくさんあることが、マンガ文化に一層の深みと時間を超えた継続性を与えてくれるように思います。
ところで、少年マンガや少女マンガは、直接「原体験」的に飛び込んでくるものだと思っています。
つまり、その読者の行動基準を変えたり、作り出したり、ときには人生だって変えてしまうパワーがある作品が良作だと思っています。
話がおおげさなように見えるかもしれませんが、実際、『キャプテン翼』によってサッカーを始めた選手が世界的な選手になったように。
あるいは『スラムダンク』によってバスケを観る層も実際にプレイする層も増えたように。
『ガラスの仮面』で演劇の見方が変わったり、演劇にのめり込んだひとも多いでしょう。
そんな風に、「こうなりたい!」や「こういう人に出会いたい!」など、生き方に直接影響を与えるものだと思うのです。
……あ、そういえば昔、よど号ハイジャック事件犯人たちは「われわれは『明日のジョー』である!」なんてセリフを残していたんでしたっけ。。。(; ̄∀ ̄A
少年漫画部門:
少年マンガ部門と少女マンガ部門は、1位と次点のみをご紹介しますね。
もちろん、たくさんの佳作はありますが、順位は非常に決めにくいです。
その中でも、「これは飛び抜けている!」と思える作品だと、2つずつくらいになるのかな、と感じています。
1位
渡辺航著『弱虫ペダル』(秋田書店)
もうこれは文句なしです!
仏契もとい、ぶっちぎりです!!!ヾ(。`Д´。)ノ
これまで、ロードレース漫画のバイブルは曽田正人著『シャカリキ!』でした。
もちろん、『シャカリキ!』も今読んでも面白いのですが、この漫画は『シャカリキ!』を超えて新たな金字塔を打ち立てたと思います。
※ちなみに、以前書いた『弱虫ペダル』と『シャカリキ!』の対比について書いた記事はこちら。
『いまチャリンコが熱い!』
連載当時、一部のマンガ読者からは『スラムダンク』よりも面白いマンガがある!と話題になった『シャカリキ!』。
(作者の曽田正人先生は、現在は『Capeta』、『昴~MOON』を描いています。どちらもとても素晴らしい作品です。)
そして、『シャカリキ!』はやがて自転車乗りのバイブルとして読み継がれるようになりました。
この『弱虫ペダル』の主人公は、『シャカリキ!』と同じクライマータイプで、しかも掲載紙は同じく『週刊少年チャンピオン』ですが、タイプはまったく違います。
『絶対に負けない!』と走っていたのが『シャカリキ!』をはじめ、これまですべての自転車漫画でした。
しかし、『弱虫ペダル』の主人公は、勝つことよりも、ただ「みんなと一緒に走りたい」という、絆のためだけに走る主人公なのです。
ゆえに、トップ争いをしていても、チームメートが遅れたという情報を聞けば、仲間を引くために最下位まで戻って献身的にアシストさえします。
これまで「勝利絶対至上主義」の少年漫画にはいなかったタイプの主人公です。
また、敵役も正々堂々卑怯で強かったり、ライバルチームの面々の生きざまの描かれ方も素晴らしいとしか言いようがありません。
3巻でママチャリからロードに乗り換えたところからが、実質物語の始まりです。
そして、インターハイ1日目の激闘は、『シャカリキ!』についに匹敵する自転車漫画が現れた!と衝撃を与えてくれたものです。
現在、インターハイ2日目。
この面白さは完全に『シャカリキ!』を超えたと感じています。
主人公、さらには味方チーム不在でも、ライバルチームの闘いだけでもとにかく熱いです!
まだまだ面白くなりそうな予感です!
そして、この漫画を読むと、自転車に乗りたくなります!!
実際、この『弱虫ペダル』の影響で、沖縄本島を自転車で一周したりしてしまいました!
※沖縄一周の紀行文全部を載せると長くなるので、一部抜粋。
『沖縄一周チャリンコ爆走記:5』
ちなみに、夏に北海道の新千歳空港から宗谷岬まで自転車で走ったのは、羽海野チカ著『ハチミツとクローバー』という少女マンガの影響でした!
※こちらも北海道チャリンコ旅の長い紀行文から一部抜粋です。
『北海道ほぼ縦断チャリンコ爆走記:6』
次点:
浅田弘幸著『テガミバチ』(集英社)
まず、絵の美麗さといったら!
ペンだけの画力も確かなので、安心してみていられます。
それ以上に、カラーはどうやって描いているんだろう?と思うほど芸術的です。
人工太陽が首都のみを照らしている世界なので、まるで月夜や星降る夜にいるような、深い藍色や青を基調とした色合いの世界。
カラーページを眺めているだけでうっとりとしてしまいます。
この浅田弘幸先生は、バスケ漫画の名作『I’ll(アイル)』の作者です。
いつもはどこかとんがった感じの主人公でした。
けれど、この『テガミバチ』は、泣き虫の心やさしい少年が主人公のファンタジーです。
「BEE」と呼ばれるテガミの配達屋。
ひとの思いのつまったテガミを届けるのには、鎧虫とよばれる危険生物が襲いかかることもありますし、「BEE」という職業自体に偏見を持つひとたちもいうる世界。
それでも、テガミを書いた人の「ココロ」を届けようと、主人公のラグは一生懸命に奮闘するのです。
とても温かな、そしてちょっとせつなくなる素敵なお話です。
主人公のラグ・シーイングは、ことあるごとにボロボロと大粒の涙を流して泣きます。
それは、誰かの気持ちを思いやって、共感して、泣いてしまうのです。
もしかしたら、今の時代、最も必要になってくる力は、この主人公のラグみたいな「共感力」じゃないかなぁ…と思うのです。
地域共同体のつながりが切れ、それぞれが孤立した生き方を迫られる現代。
「無縁社会」という言葉はもはや老人だけのものでなく、若者にも深刻に当てはまる問題なのだそうです。
そういった、もはや地域共同体の復権は期待できない中で、ひとの気持ちを思いやったり、共感できる能力を育むことこそ、人々が「ともに生きていく」ことの新しい作法になるのではないかと、よーかいは密かに思っているのです。
ちょっと話は飛びますが、教育も、そういった「共感力」を育てることが大事なのではないかと思うのです。
少女マンガ部門:
少女マンガは、女の子のためだけのものではありません。
例えば『ハチミツとクローバー』や『のだめカンタービレ』のように、男性読者の多い作品もたくさん増えています。
少女マンガの佳作の条件は、二つに分かれると思います。
それは、男性も女性も大人も子どもも、全世代・全性別の読者が楽しめる作品、もしくは(恋愛感情を含め)心情をうまく描いた作品です。
心情をうまく表した作品としては、昨年は『君に届け』が大ヒットしましたね。
うん、たしかにあの作品は、高校生の恋愛感情や心情をうまく描いていると思うのですが、一方で個人的には推しにくいのです。
だって、あの作品をもし風早くん(男性のメインキャラ)視点で描いたら、まったく違った作品になってしまったような気がするのです。(その意味では、風早くんは、主人公の爽子の友人が「ヘタレ」と評している姿が一番近いような…?)
少年マンガでも、少女マンガでも、相手を過剰にキラキラとしたものに見てしまうマンガは、つっこみを入れながら読むぶんには楽しいですが、どうしても頭の片隅で「なんだかなぁ…」とも感じてしまい、共感しきれなかったりします。
そういう意味で、ちゃんと俯瞰的な視点、相対的な視点で描けている作品が個人的には好きです。
きちんと双方向の視点が持てている少女マンガは、繊細な機微をつかむのがうまく、ある意味単純な話が多い少年マンガよりも心をつかまれる確率が高いように思うのです。
1位
東村アキコ著『海月姫』(講談社)
これはフジテレビの『ノイタミナ』枠でアニメにもなりましたね。
せつない恋愛もの、ギャグ漫画、シンデレラストーリー、レトロな共同生活もの……人によってさまざまな見方ができるお話です。
ある意味、ベタな少女マンガストーリーに、オタク要素やシュールなギャグを入れたり、物語の核になる男性ヒーロー的な人物はいわゆる「男の娘」だったり…と、さまざまなネタがちりばめられています。
カオスになりそうなところを、ギリギリのバランスで、ちゃんと芯のある独自の世界観を作り出している傑作だと思います。
また、どこか昭和レトロな感じです。
それは主人公達の住む「天水館(あまみずかん)」という建物に始まり、ギャグなんかも昭和の世代を知らないとわかんないんじゃないんだろうか?というようなマニアックなものまで。
とにかく、次の展開がどうなるんだろう?とドキドキしながら一気に読んでしまいます。
また、この作品を読むと、思わず水族館に行ってクラゲが見たくなります。
実際、よーかいはこの作中にもでてきている江ノ島水族館にまで海月を観に行きましたよ(笑)。
※そのときの記事。
『平成23年度東京都小学校教員採用試験(第2回)2次総括。』
ちなみに、SING LIKE TALKINGのヴォーカル、佐藤竹善さんも『海月姫』にハマったと、ツイッターでカミングアウトしていました☆
次点:
末次由紀著『ちはやふる』(講談社)
よーかいはこの作品を読んで、滋賀県の近江神社まで詣でました(笑)。
※そのときの記事。
『「ちはやふる」の舞台へ。』
詳しいことは上記の記事に書いてしまっていますので、それをご参照いただければと(ヲイ)。
『ちはやふる』が描いている題材はなんとカルタです!
あの百人一首のカルタ競技なのです。
このテーマを題材に、単に物語の“背景”ではなく“主題”として正面から正々堂々カルタ競技を熱く描けるなんてそれだけで驚愕です。
読んでいて体温と心拍数が上がる作品なのです。
絵は女性らしい繊細さなのに、内容の熱さといったら!
(作風は違いますが、熱量だけでいえば、島本和彦先生にも劣らないのではないかと…!)
もう11巻になりますが、その熱量が1巻からまったく落ちることがないのが素晴らしいです。
カルタというと文系のイメージですが、実際は動きや練習など、かなり体育会系です。
一方で、和歌の解釈や着物の着付け等々、日本の伝統文化を知るきっかけにもなる一冊です!
カルタ競技ってこんなにすごかったんだ!奥が深かったんだ!と目からウロコが落ち、登場人物達の情熱の圧倒的な熱量に確実にあてられてしまう作品です。
「息をつめて読む」という体験ができる作品だと保証しますですよ!o( ̄へ ̄*)むん
さてさてさて。
とりあえず、今回はこのへんで。
今年も、また新しいたくさんの素晴らしいマンガたちに出会い、感動できることを楽しみにしているのです!(*´▽`*)
Posted by よーかい at 11:13│Comments(3)
│読書感想文
この記事へのコメント
「われわれは『明日のジョー』だ!」、あれは1970年3月~4月のよど号ハイジャック犯の声明
『連合赤軍中央委員会』登場は、1971年12月?
…なんてのは、今回も漫画わからん~ため…
小学4年の時、教育実習終了おねえさん送る会での‘ベルばら’のポリニャック伯爵夫人を演じ
‘オルフェウスの窓’で、ドイツとクラシック音楽に馴染み
‘はいからさんが通る’で、鶏のつくねに憧れ
現在、ブログ界の北島マヤを自称している
アタシって、一体?
『連合赤軍中央委員会』登場は、1971年12月?
…なんてのは、今回も漫画わからん~ため…
小学4年の時、教育実習終了おねえさん送る会での‘ベルばら’のポリニャック伯爵夫人を演じ
‘オルフェウスの窓’で、ドイツとクラシック音楽に馴染み
‘はいからさんが通る’で、鶏のつくねに憧れ
現在、ブログ界の北島マヤを自称している
アタシって、一体?
Posted by マテ姉さん at 2011年02月19日 18:35
>マテ姉さん
コメントどうもありがとうございます。
返信遅くなりました。
すみません…m(_ _;)m
>「われわれは『明日のジョー』だ!」、あれは1970年3月~4月のよど号ハイジャック犯の声明
ですね…(^_^;)
おっしゃる通りでした。
記事訂正しました。
ご指摘どうもありがとうございます。
>小学4年の時、教育実習終了おねえさん送る会での‘ベルばら’のポリニャック伯爵夫人を演じ
>‘オルフェウスの窓’で、ドイツとクラシック音楽に馴染み
>‘はいからさんが通る’で、鶏のつくねに憧れ
>現在、ブログ界の北島マヤを自称している
>アタシって、一体?
素敵な漫画の読み方をしているのではないでしょうか?
本文でも書きましたように、「こうなりたい!」や「こういう人に出会いたい!」など、生き方に直接影響を与えるものが少年漫画・少女漫画なんです。
だから、いかにそういった漫画に多く出会えたか、影響を受けてくることができたか。
もちろん、これは漫画に限らず、素晴らしい映画や文学、音楽等、あらゆる芸術の見方にも通じることですが、マテ姉さんはそれだけ現在でも影響を受けるほど素晴らしい漫画に出会えてきたってことですもの♪(^▽^)/
コメントどうもありがとうございます。
返信遅くなりました。
すみません…m(_ _;)m
>「われわれは『明日のジョー』だ!」、あれは1970年3月~4月のよど号ハイジャック犯の声明
ですね…(^_^;)
おっしゃる通りでした。
記事訂正しました。
ご指摘どうもありがとうございます。
>小学4年の時、教育実習終了おねえさん送る会での‘ベルばら’のポリニャック伯爵夫人を演じ
>‘オルフェウスの窓’で、ドイツとクラシック音楽に馴染み
>‘はいからさんが通る’で、鶏のつくねに憧れ
>現在、ブログ界の北島マヤを自称している
>アタシって、一体?
素敵な漫画の読み方をしているのではないでしょうか?
本文でも書きましたように、「こうなりたい!」や「こういう人に出会いたい!」など、生き方に直接影響を与えるものが少年漫画・少女漫画なんです。
だから、いかにそういった漫画に多く出会えたか、影響を受けてくることができたか。
もちろん、これは漫画に限らず、素晴らしい映画や文学、音楽等、あらゆる芸術の見方にも通じることですが、マテ姉さんはそれだけ現在でも影響を受けるほど素晴らしい漫画に出会えてきたってことですもの♪(^▽^)/
Posted by よーかい at 2011年02月21日 10:26
【本文追記】
『2010年個人的漫画ランキング!』を、青年マンガ編、女性マンガ編、少年・少女マンガ編と3回に分けてお送りしました。
合計10作品。
あくまで個人内のランキングをつけると以下の通り。
1位:羽海野チカ著『3月のライオン』
2位:渡辺航著『弱虫ペダル』
3位:森薫著『乙嫁語り』
4位:平野耕太著『ドリフターズ』
5位:東村アキコ著『海月姫』
6位:久住昌之作・水沢悦子画『花のズボラ飯』
7位:末次由紀著『ちはやふる』
8位:浅田弘幸著『テガミバチ』
9位:草場道輝著『LOSTMAN』
10位:オノ・ナツメ著『さらい屋五葉』
です。(もちろん、あくまで現時点の個人的主観です。)
もしご興味がある方は、
『2010年個人的漫画ランキング!(青年マンガ編)』http://yokohamayoukai.ti-da.net/e3356659.html、
『2010年個人的漫画ランキング!(女性マンガ編)』http://yokohamayoukai.ti-da.net/e3357971.html
の記事も併せてご覧頂けると幸いです♪(゚▽^*)ノ⌒☆
『2010年個人的漫画ランキング!』を、青年マンガ編、女性マンガ編、少年・少女マンガ編と3回に分けてお送りしました。
合計10作品。
あくまで個人内のランキングをつけると以下の通り。
1位:羽海野チカ著『3月のライオン』
2位:渡辺航著『弱虫ペダル』
3位:森薫著『乙嫁語り』
4位:平野耕太著『ドリフターズ』
5位:東村アキコ著『海月姫』
6位:久住昌之作・水沢悦子画『花のズボラ飯』
7位:末次由紀著『ちはやふる』
8位:浅田弘幸著『テガミバチ』
9位:草場道輝著『LOSTMAN』
10位:オノ・ナツメ著『さらい屋五葉』
です。(もちろん、あくまで現時点の個人的主観です。)
もしご興味がある方は、
『2010年個人的漫画ランキング!(青年マンガ編)』http://yokohamayoukai.ti-da.net/e3356659.html、
『2010年個人的漫画ランキング!(女性マンガ編)』http://yokohamayoukai.ti-da.net/e3357971.html
の記事も併せてご覧頂けると幸いです♪(゚▽^*)ノ⌒☆
Posted by よーかい at 2011年03月30日 00:22