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2011年02月17日

2010年個人的漫画ランキング!(女性マンガ編)

個人的な2010年のマンガランキング、今日は女性漫画編です!(o^∇^o)ノ


この分野、少女漫画でもなく、かといって「レディースコミック」というものに一般的にイメージされるようなドロドロ感もまったくなく。
基本的に成人女性をメインターゲットに描かれてはいますが、男性読者も普通にいる……なんだか「ジャンル」として表すのが難しい分野ですね。

ボーダーレスかつジェンダーレス。
もしかすると、現代はこういった“境界のゆるやかさ”こそが大事なことなのかもしれません。



女性マンガ部門:


ともかく、そんなあいまいかつゆる~い感じに、女性漫画部門の2010年個人的ランキングをつけてみます。(繰り返しますが、あくまで「個人的に」です。それぞれの人ごとのランキングがあっていいと思います。)



1位
森薫著『乙嫁語り』(エンターブレイン)


2010年個人的漫画ランキング!(女性マンガ編)


あれ?これは青年漫画なのかな??まあいいや。
多分メインの読者は女性の方が多そうですし。


まず、絵の素晴らしさに心奪われます!

中央アジア、シルクロードの遊牧民の民族衣装、伝統的な刺繍や木彫り。
それらの文様は眺めているだけで癒されます。
資料的価値も高いです。
作者は、本当にあの地域の人々や文化、歴史が大好きなんだなぁと、描き手の愛情を一コマ一コマに感じられる作品なのです。

「乙嫁(おとよめ)」とは古語で、「若いお嫁さん」、「美しいお嫁さん」という意味です。
時は19世紀後半のシルクロード、カスピ海沿岸。
12歳の少年カルルクと、20歳のお嫁さんアミルの結婚から物語が始まります。

「弓が上手」「姉さん女房」「なんでもさばける(鶏とか兎とか)」「野生」「天然」「強い」「でも乙女」「でもお嬢様」

そういった、作者自身が好きな要素をてんこもりしたのが主人公のアミルなんだそうです。
作者曰く、「明日死んでも悔いのないキャラ作り」とか(笑)。


もちろん、登場人物の心情などの描き方も秀逸です。
ひさびさに、すごい作品を見つけてしまった!という思いでした。
もっとも、物語自体はわりと淡々と進んでいく感じなので、ダイナミックな人間ドラマやアクションは期待しない方がいいかもしれません。

よーかいは、中央アジアはまだ行ったことはありませんが、シルクロードについては、中国の西安より西全部、新彊ウイグル自治区のトルファンや中国最西部のカシュガル、またイランなどには旅したことがあります。
そこで観た民族衣装や絨毯、タイルの模様、出会った人懐こい人々…そんないくつもの記憶が一気に蘇りました。

ウズベキスタンやカザフスタンなどのまだ訪れていない中央アジアの国々を旅したい気持ちでいっぱいです。
カシュガルなどのタクラマカン砂漠のオアシスの町も再訪したくてたまりません。
ああ、あの街中に充満する羊肉の匂いに、果汁があふれるようなハミウリの美味しさといったら!


……おっと、現実に戻ってこなければ。
とにかく、このマンガを読むと、中央アジアに興味の無かった人も一気に引きこまれます。
興味が少しでもある人なら、もう今すぐにでもバックパックを背負って旅立ちたくなること請け合いなのです!!



2位
久住 昌之原作、水沢 悦子画『花のズボラ飯』(秋田書店)


2010年個人的漫画ランキング!(女性マンガ編)


先日感想も書きましたが、これは本当に見ていてとんでもなく美味しそうです。
そして、食事シーンの表情といったら!!!

詳しい感想はこちら。
『花のズボラ飯。』
もう一通り、言いたいことは書いちゃいましたから、あとは割愛しますね☆(てへ)
ご興味のある奇特な方は、上のリンクをクリックしてくださいませ。


それにしても、何気ない日常の食事という一風景だけを切り取って、飽きさせず一気に読ませる手腕に脱帽なのです。
ここには、一人でもたしかな形の「幸せ」が描かれています。



3位
オノ・ナツメ著『さらい屋五葉』(小学館)


2010年個人的漫画ランキング!(女性マンガ編)


この作品はブレイク前(2009年4月)に「面白い!」とレビューを書きましたが、その後フジテレビの「ノイタミナ」枠でアニメ化もされたようですね。
よーかい棲息地では「ノイタミナ」は観られません…(つДT)

にしても、アニメ化以前は知る人ぞ知る作品だったのになぁ。
(脱線しますが、そういう意味では、中村光著『荒川アンダー・ザ・ブリッジ』もアニメ化されるまでは知る人ぞ知る作品で、それを知っていることがマンガ読みとしてのささやかでひそかな優越感だったのに、今ではあんなにブレイクしてしまって…泣)


ちなみに、以前書いた感想はこちら。
『Miles Davis「So What」。(さらい屋五葉)』

こちらも、詳しいことは上記のリンクから感想をご覧下さい(手抜き)。


…とはいえ、さすがにそう省略ばかりしていると、意味不明の文章になってしまうので、簡単におさらい。

主人公は気の弱さから士官先の藩から首にされ、貧乏浪人をしている政之助という侍です。
彼が弥一という男によって巻き込まれたのは、人知れず拐かしをする賊「五葉」。
政之助は弥一のひょうひょうとしたところに惹かれ、なんとなく五葉が居心地良くなり、弥一たちもまた政之助によって少しずつ変わっていきます。


「誘拐をして金を獲る賊」という話であるにもかかわらず、とてもさっぱりとし、少しも嫌な後味が残らないのはオノ・ナツメ氏の手腕の見事さとしか言いようがないでしょう!
本当に一見クールに淡々と話が描かれますが、2巻以降、それぞれの登場人物の背景などが描き込まれてくると、ぐっと深みがでてきます。

それどころか、巻がすすむにつれて、主要人物の消したくても消すことのできないまま抱えている過去の闇が見えてきたりして、とてもハラハラさせられました。
いったい、物語はどこに着地するのか?弥一は、政之助は果たして生き残れるのか?


昨年、8巻でついに物語が完結しました。
最後までハラハラしたのですが、ちゃんと物語を着地させた手腕は見事でした!


ちょびっとだけネタバレすると、あれだけクールな雰囲気の物語であるのに、そのクールな格好良さは維持したまま、最後は「」がテーマになります。
それぞれがそれぞれの事情で寄り集まっただけの集団から、かけがえのない「家族」へと変容していく物語です。





……さて、女性マンガ編はこんなところでしょうか?



あと、まだ書き残している少年漫画編と少女漫画編も(多少さらりと)別記事で書きたいと思いますです!o( ̄へ ̄*)むん


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Posted by よーかい at 02:51│Comments(0)読書感想文
 
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