2010年07月20日
思考力・判断力・表現力等を育成する言語活動の充実
なんだか昨年から今年にかけて教員採用試験のトレンドは「言語活動」にあるようです。
インターネット上でPDFファイルでとてもよくまとまっていたのがあったので、テキスト形式に打ち直してみました。
ちなみに、出典はこれ。http://www.doken.hokkaido-c.ed.jp/kenkyuu/kaihatsu_shiryou/sn_j/kokugo_h19_03.pdf
***********************************
新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、「知識基盤社会」の時代にあって、子どもたちに
「生きる力」をはぐくむことはますます重要
になっています。
しかし、全国学力・学習状況調査やPISA調査等、各種調査の結果から、
「生きる力」で重視している思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式の問題、知識・技術を活用する問題に課題がある
ことが明らかになりました。
知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等は、平成18年12月に改正された教育基本法を受けて、一部改正された学校教育法で示された学力の重要な三つの要素の一つです。
今回の学習指導要領改定案では、
思考力・判断力・表現力等を育成するため、各教科において、基礎的・基本的な知識・技術の習得を重視した上で、
観察・実験やレポートの作成、論述など、知識・技能を活用する学習活動を充実するとともに、
各教科の指導に当たって、記録、説明、論述、討論といった言語活動を充実する
ことが示されました。
◎学力の重要な三つの要素:
○基礎的・基本的な知識・技能の習得
→○知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等
○学習意欲
↑
各教科の知識・技能を活用させる学習活動
国語を中心とした言語(数学、外国語を含む)が基盤
言語活動の充実
言語活動の例:
中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月)では、言語活動として次のような例が示されています。
○観察・実験や社会見学のレポートにおいて、視点を明確にして、観察したり見学したりした事象の差異点や共通点をとらえて記録・報告する(理科、社会等)
○比較や分類、関連付けといった考えるための技法、帰納的な考え方や演繹的な考え方などを活用して説明する(算数・数学、理科等)
○仮説を立てて観察・実験を行い、その結果を評価し、まとめて表現する(理科等)
○体験から感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを使って表現する(音楽、図画工作、美術、体育等)
○体験活動を振り返り、そこから学んだことを記述する(生活、特別活動等)
○合唱や合奏、球技やダンスなどの集団的活動や身体表現などを通じて他社と伝え合ったり、共感したりする(音楽、体育等)
○体験したことや調べたことをまとめ、発表し合う(家庭、技術・家庭、特別活動、総合的な学習の時間等)
○討論・討議などにより意見の異なる人を説得したり、協同的に議論して集団としての意見をまとめたりする(道徳、特別活動等)
言語活動のポイント
各教科等:
各教科等においては、これまでも、レポートの作成や発表・討議などの活動を行ってきましたが、その必要性を十分に理解し、
必要に応じて国語科の教師と連携したり、指導計画に位置付け意図的に指導したり、授業の構成や進め方を改善したりすることが大切
です。
また、言語活動は、
それぞれの教科の知識・技能を活用
するものであり、その取組によって各教科の知識・技能の定着にも結びつくものです。
各教科におけるこのような取組があってこそ総合的な学習の時間における探求的な活動も充実します。
このように、
知識・技能の活用や探求がその習得を促進するなど、相互に関連し合って力を伸ばしていくもの
です。
なお、今回の改訂案では、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、それらを活用する学習活動の充実を図ることを目的として、小・中学校において国語、算数・数学、理科等の授業時数が増加しました。
国語科:
国語科では、各教科等の基本ともなる、
記録、要約、説明、論述といった言語活動を行う能力を、発達の段階に応じて培う
必要があります。
さらに、どの教科等でいつ、どのような言語活動を行っているか、国語科でいつ、どのような言語活動を行う能力を身に付けさせる指導を行っているか、
学校内で共有
することが大切です。
◎思考力・判断力・表現力等をはぐくむ学習活動の例
中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月)では、思考力・判断力・表現力等をはぐくむ学習活動として、次のような例が示されています。
1)体験から感じ取ったことを表現する。
(例)
○日常生活や体験的な学習活動の中で感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを用いて表現する
2)事実を正確に理解し伝達する
(例)
○身近な動植物の観察や地域の公共施設等の見学の結果を記述・報告する
3)概念、法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
(例)
○需要、供給などの概念で価格の変動をとらえて生産活動や消費活動に生かす
○衣食住や健康・安全などに関する知識を活用して自分の生活を管理する
4)情報を分析・評価し、論述する
(例)
○学習や生活上の課題について、事柄を比較する、分類する、関連付けるなど考えるための技法を活用し、課題を整理する。
○文章や資料を読んだ上で、自分の知識や経験に照らし合わせて、自分なりの考えをまとめて、A4・1枚(1000字程度)といった所与の条件の中で表現する。
○自然事象や社会的事象に関する様々な情報や意見をグラフや図表などから読みとったり、これらを用いて分かりやすく表現したりする
○自国や他国の歴史・文化・社会などについて調べ、分析したことを論述する
5)課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
(例)
○理科の調査研究において、仮説を立てて、観察・実験を行い、その結果を整理し、考察し、まとめ、表現したり改善したりする
○芸術表現やものづくり等において、構想を練り、創作活動を行い、その結果を評価し、工夫、改善する
6)互いの意見を伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる
(例)
○予想や仮説の検証方法を考察する場面で、予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深め合う
○将来の予測に関する問題などにおいて、問答やディベートの形式を用いて議論を深め、より高次の解決策に至る経緯をさせる
◎参考資料等:
・「学習指導要領改定案本文」文部科学省(平成20年2月)
・中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」
・答申パンフレット「生きる力」文部科学省(平成20年1月)
・文部科学省Webページ「新しい学習指導要領」
※学習指導要領改定案のほか、改訂の基本的な考え方、平成20年1月中教審答申など
……ま、今回はブログのリハビリってことで。。σ(^_^;)アセアセ...
インターネット上でPDFファイルでとてもよくまとまっていたのがあったので、テキスト形式に打ち直してみました。
ちなみに、出典はこれ。http://www.doken.hokkaido-c.ed.jp/kenkyuu/kaihatsu_shiryou/sn_j/kokugo_h19_03.pdf
***********************************
新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、「知識基盤社会」の時代にあって、子どもたちに
「生きる力」をはぐくむことはますます重要
になっています。
しかし、全国学力・学習状況調査やPISA調査等、各種調査の結果から、
「生きる力」で重視している思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式の問題、知識・技術を活用する問題に課題がある
ことが明らかになりました。
知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等は、平成18年12月に改正された教育基本法を受けて、一部改正された学校教育法で示された学力の重要な三つの要素の一つです。
今回の学習指導要領改定案では、
思考力・判断力・表現力等を育成するため、各教科において、基礎的・基本的な知識・技術の習得を重視した上で、
観察・実験やレポートの作成、論述など、知識・技能を活用する学習活動を充実するとともに、
各教科の指導に当たって、記録、説明、論述、討論といった言語活動を充実する
ことが示されました。
◎学力の重要な三つの要素:
○基礎的・基本的な知識・技能の習得
→○知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等
○学習意欲
↑
各教科の知識・技能を活用させる学習活動
国語を中心とした言語(数学、外国語を含む)が基盤
言語活動の充実
言語活動の例:
中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月)では、言語活動として次のような例が示されています。
○観察・実験や社会見学のレポートにおいて、視点を明確にして、観察したり見学したりした事象の差異点や共通点をとらえて記録・報告する(理科、社会等)
○比較や分類、関連付けといった考えるための技法、帰納的な考え方や演繹的な考え方などを活用して説明する(算数・数学、理科等)
○仮説を立てて観察・実験を行い、その結果を評価し、まとめて表現する(理科等)
○体験から感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを使って表現する(音楽、図画工作、美術、体育等)
○体験活動を振り返り、そこから学んだことを記述する(生活、特別活動等)
○合唱や合奏、球技やダンスなどの集団的活動や身体表現などを通じて他社と伝え合ったり、共感したりする(音楽、体育等)
○体験したことや調べたことをまとめ、発表し合う(家庭、技術・家庭、特別活動、総合的な学習の時間等)
○討論・討議などにより意見の異なる人を説得したり、協同的に議論して集団としての意見をまとめたりする(道徳、特別活動等)
言語活動のポイント
各教科等:
各教科等においては、これまでも、レポートの作成や発表・討議などの活動を行ってきましたが、その必要性を十分に理解し、
必要に応じて国語科の教師と連携したり、指導計画に位置付け意図的に指導したり、授業の構成や進め方を改善したりすることが大切
です。
また、言語活動は、
それぞれの教科の知識・技能を活用
するものであり、その取組によって各教科の知識・技能の定着にも結びつくものです。
各教科におけるこのような取組があってこそ総合的な学習の時間における探求的な活動も充実します。
このように、
知識・技能の活用や探求がその習得を促進するなど、相互に関連し合って力を伸ばしていくもの
です。
なお、今回の改訂案では、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、それらを活用する学習活動の充実を図ることを目的として、小・中学校において国語、算数・数学、理科等の授業時数が増加しました。
国語科:
国語科では、各教科等の基本ともなる、
記録、要約、説明、論述といった言語活動を行う能力を、発達の段階に応じて培う
必要があります。
さらに、どの教科等でいつ、どのような言語活動を行っているか、国語科でいつ、どのような言語活動を行う能力を身に付けさせる指導を行っているか、
学校内で共有
することが大切です。
◎思考力・判断力・表現力等をはぐくむ学習活動の例
中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月)では、思考力・判断力・表現力等をはぐくむ学習活動として、次のような例が示されています。
1)体験から感じ取ったことを表現する。
(例)
○日常生活や体験的な学習活動の中で感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを用いて表現する
2)事実を正確に理解し伝達する
(例)
○身近な動植物の観察や地域の公共施設等の見学の結果を記述・報告する
3)概念、法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
(例)
○需要、供給などの概念で価格の変動をとらえて生産活動や消費活動に生かす
○衣食住や健康・安全などに関する知識を活用して自分の生活を管理する
4)情報を分析・評価し、論述する
(例)
○学習や生活上の課題について、事柄を比較する、分類する、関連付けるなど考えるための技法を活用し、課題を整理する。
○文章や資料を読んだ上で、自分の知識や経験に照らし合わせて、自分なりの考えをまとめて、A4・1枚(1000字程度)といった所与の条件の中で表現する。
○自然事象や社会的事象に関する様々な情報や意見をグラフや図表などから読みとったり、これらを用いて分かりやすく表現したりする
○自国や他国の歴史・文化・社会などについて調べ、分析したことを論述する
5)課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
(例)
○理科の調査研究において、仮説を立てて、観察・実験を行い、その結果を整理し、考察し、まとめ、表現したり改善したりする
○芸術表現やものづくり等において、構想を練り、創作活動を行い、その結果を評価し、工夫、改善する
6)互いの意見を伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる
(例)
○予想や仮説の検証方法を考察する場面で、予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深め合う
○将来の予測に関する問題などにおいて、問答やディベートの形式を用いて議論を深め、より高次の解決策に至る経緯をさせる
◎参考資料等:
・「学習指導要領改定案本文」文部科学省(平成20年2月)
・中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」
・答申パンフレット「生きる力」文部科学省(平成20年1月)
・文部科学省Webページ「新しい学習指導要領」
※学習指導要領改定案のほか、改訂の基本的な考え方、平成20年1月中教審答申など
……ま、今回はブログのリハビリってことで。。σ(^_^;)アセアセ...
Posted by よーかい at 03:14│Comments(0)
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