2007年10月25日
衝撃 予想外の格差/学力テスト
「強い衝撃を受けている」―。
全国学力テストで県が最下位の成績となったことに、仲村守和県教育長は落胆を隠さなかった。
県教育庁は二十年来、学力向上対策を最重要課題に掲げてきただけに「対策を一層充実させなければならない」と県民総ぐるみの取り組みへ決意を込めた。
一方、沖教組の関係者は「学びの質を見直す機会」と話し、学ぶ楽しさを伝える授業の実践を訴え、研究者からは画一的な教育を批判する声も上がった。
仲村教育長は県の結果を報告する会見で、「すべてにおいて全国平均には及ばない状況」と切り出し、ゆっくりと問題点を確認するように説明を始めた。
「中学数学ではA問題で14・7ポイント、B問題で13ポイント全国との差が開いている」「無解答率が全国平均の二倍近くある」。
突きつけられた課題は少なくなかった。
しかし、「全国とのギャップが分かったので、逆にいい機会だったんじゃないか。学校、家庭、地域が一体となった県民総ぐるみの学力向上対策を強力に推し進めていきたい」と決意を見せた。
県教育庁は一九八八年度から学力向上対策に力を入れてきた自負もある。
これまでの対策について仲村教育長は「(県独自の)達成度テストの点数は上昇し、大学入試センター試験(の平均点)では十年ほど前から全国最下位を脱出した」と強調した。
沖教組の山本隆司副委員長は「最下位」の結果を冷静に受け止めた。
「これまでドリル問題を繰り返すなど詰め込み式の授業で、子どもが面白いと思える本来の学びが実践されていなかった。沖縄は他県に比べAとBの正答率に差があるが、そこにその結果が表れている」と指摘する。
今後は、「子どもたちをどんな人間に育てるか真剣に考え、学びの質を考え直さなければならない」と訴える。
「応用、活用的な授業こそ学ぶ楽しさがある。教師がゆっくりと教材研究できる時間を設け、裁量を確保すれば、子どもに物の見方が広がる授業ができる」と提言した。
一方、県には来年度以降、全国学力テストへの参加を見合わせるという選択肢もある。
沖縄大学の加藤彰彦教授は「地域性を無視した全国一律の学力テスト自体に反対」とし、「地方分権で『教育』はつくられるべきで、沖縄と東京では子どもへの期待や状況は違う。
各地方ごとに『こんな子を育てたい』と考えるべきで、地域の教育をつぶしてはいけない」と訴え、画一的な教育の在り方を批判した。
家の所得で正答率に差
二十四日に公表された全国学力テスト結果の学校別分析で、就学援助を受けている子どもが多い学校ほど正答率が低いという傾向が、小中学生に実施したすべての教科で表れた。
就学援助は生活保護を受けるなど所得が低く、子どもの就学が困難な家庭に、国や自治体が学用品購入費や給食費などを補助する制度。
文科省は「割合が高い学校の中には正答率が高い学校もあり、一概には言えない」とするが、統計上は家庭の所得による格差の存在を示した。
就学援助を受ける子どもが一人もいない学校から半数以上まで、割合に応じ六グループに分類。
各グループの半数が含まれる中間層の正答率の中央値を比べる方法で分析した。
その結果、小学国語Bでは援助を受ける児童がいないグループの正答率は64%。
援助を受ける割合が高まるごとに正答率が低下し、半数を超えるグループでは53%となって11ポイントの差が生じた。
小学校の他教科でも6―8ポイントの差があった。
中学校では、援助を受ける生徒がいないグループの数学Bの正答率66%に対し、半数以上のグループは46%。
ほかの教科も10―20ポイントの開きがあり、小学校より差が大きかった。
援助を受ける子どもが半数を超えるグループに分類された小学校は約四百七十校、中学校は約二百七十校で、それぞれ全体の2%を占めている。
[ことば]
全国学力テスト 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。
子どもの学力低下が指摘される中、全国の学力水準状況を把握し、学校現場や教育委員会の課題を明らかにする目的で、文部科学省が小6と中3すべての児童・生徒を対象に実施。
学年全員の調査は43年ぶり。
参加は自主判断を原則としたが、国立は全校が参加、公立で不参加だったのは愛知県犬山市だけだった。
私立校は約4割が参加を見送った。
テストは国語と算数・数学の2教科で、それぞれ基礎的知識を問うA問題と活用力を調べるB問題の2種類。
学習環境や生活習慣なども調査した。
(2007年10月25日(木)沖縄タイムス)
全国学力テストで県が最下位の成績となったことに、仲村守和県教育長は落胆を隠さなかった。
県教育庁は二十年来、学力向上対策を最重要課題に掲げてきただけに「対策を一層充実させなければならない」と県民総ぐるみの取り組みへ決意を込めた。
一方、沖教組の関係者は「学びの質を見直す機会」と話し、学ぶ楽しさを伝える授業の実践を訴え、研究者からは画一的な教育を批判する声も上がった。
仲村教育長は県の結果を報告する会見で、「すべてにおいて全国平均には及ばない状況」と切り出し、ゆっくりと問題点を確認するように説明を始めた。
「中学数学ではA問題で14・7ポイント、B問題で13ポイント全国との差が開いている」「無解答率が全国平均の二倍近くある」。
突きつけられた課題は少なくなかった。
しかし、「全国とのギャップが分かったので、逆にいい機会だったんじゃないか。学校、家庭、地域が一体となった県民総ぐるみの学力向上対策を強力に推し進めていきたい」と決意を見せた。
県教育庁は一九八八年度から学力向上対策に力を入れてきた自負もある。
これまでの対策について仲村教育長は「(県独自の)達成度テストの点数は上昇し、大学入試センター試験(の平均点)では十年ほど前から全国最下位を脱出した」と強調した。
沖教組の山本隆司副委員長は「最下位」の結果を冷静に受け止めた。
「これまでドリル問題を繰り返すなど詰め込み式の授業で、子どもが面白いと思える本来の学びが実践されていなかった。沖縄は他県に比べAとBの正答率に差があるが、そこにその結果が表れている」と指摘する。
今後は、「子どもたちをどんな人間に育てるか真剣に考え、学びの質を考え直さなければならない」と訴える。
「応用、活用的な授業こそ学ぶ楽しさがある。教師がゆっくりと教材研究できる時間を設け、裁量を確保すれば、子どもに物の見方が広がる授業ができる」と提言した。
一方、県には来年度以降、全国学力テストへの参加を見合わせるという選択肢もある。
沖縄大学の加藤彰彦教授は「地域性を無視した全国一律の学力テスト自体に反対」とし、「地方分権で『教育』はつくられるべきで、沖縄と東京では子どもへの期待や状況は違う。
各地方ごとに『こんな子を育てたい』と考えるべきで、地域の教育をつぶしてはいけない」と訴え、画一的な教育の在り方を批判した。
家の所得で正答率に差
二十四日に公表された全国学力テスト結果の学校別分析で、就学援助を受けている子どもが多い学校ほど正答率が低いという傾向が、小中学生に実施したすべての教科で表れた。
就学援助は生活保護を受けるなど所得が低く、子どもの就学が困難な家庭に、国や自治体が学用品購入費や給食費などを補助する制度。
文科省は「割合が高い学校の中には正答率が高い学校もあり、一概には言えない」とするが、統計上は家庭の所得による格差の存在を示した。
就学援助を受ける子どもが一人もいない学校から半数以上まで、割合に応じ六グループに分類。
各グループの半数が含まれる中間層の正答率の中央値を比べる方法で分析した。
その結果、小学国語Bでは援助を受ける児童がいないグループの正答率は64%。
援助を受ける割合が高まるごとに正答率が低下し、半数を超えるグループでは53%となって11ポイントの差が生じた。
小学校の他教科でも6―8ポイントの差があった。
中学校では、援助を受ける生徒がいないグループの数学Bの正答率66%に対し、半数以上のグループは46%。
ほかの教科も10―20ポイントの開きがあり、小学校より差が大きかった。
援助を受ける子どもが半数を超えるグループに分類された小学校は約四百七十校、中学校は約二百七十校で、それぞれ全体の2%を占めている。
[ことば]
全国学力テスト 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。
子どもの学力低下が指摘される中、全国の学力水準状況を把握し、学校現場や教育委員会の課題を明らかにする目的で、文部科学省が小6と中3すべての児童・生徒を対象に実施。
学年全員の調査は43年ぶり。
参加は自主判断を原則としたが、国立は全校が参加、公立で不参加だったのは愛知県犬山市だけだった。
私立校は約4割が参加を見送った。
テストは国語と算数・数学の2教科で、それぞれ基礎的知識を問うA問題と活用力を調べるB問題の2種類。
学習環境や生活習慣なども調査した。
(2007年10月25日(木)沖縄タイムス)
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この記事へのコメント
も~~!!
毎回思うんだけど、こういうときにすぐ東京とか都会と比べて「沖縄は人口も少ないし、地方だから仕方ない」「低所得や共働きのおうちも多いし」みたいなのって・・・違うだろう~!!
今回の結果だって、上位って秋田、富山、福井って地方が主だし、小さい県でいえば、香川だって鳥取だって上位ですよね。
私も含めて、東京じゃない地方から沖縄に転校してきて、沖縄の学校の現場に問題はいっぱい感じてる人が周りにもいっぱいいるのに、そういうことを言っても通じないというか、↑のようなコメントって、いや、そういう面もあるんだけど、根本的な問題はそうじゃないだろう!みたいな、でもそれが伝わらないもどかしさ、みたいなのがすっごいある。
もちろん勉強だけの問題じゃなくて、生活含めて全般にね!!
毎回思うんだけど、こういうときにすぐ東京とか都会と比べて「沖縄は人口も少ないし、地方だから仕方ない」「低所得や共働きのおうちも多いし」みたいなのって・・・違うだろう~!!
今回の結果だって、上位って秋田、富山、福井って地方が主だし、小さい県でいえば、香川だって鳥取だって上位ですよね。
私も含めて、東京じゃない地方から沖縄に転校してきて、沖縄の学校の現場に問題はいっぱい感じてる人が周りにもいっぱいいるのに、そういうことを言っても通じないというか、↑のようなコメントって、いや、そういう面もあるんだけど、根本的な問題はそうじゃないだろう!みたいな、でもそれが伝わらないもどかしさ、みたいなのがすっごいある。
もちろん勉強だけの問題じゃなくて、生活含めて全般にね!!
Posted by さとちゃん at 2007年10月25日 19:03
>さとちゃん
コメントどうもありがとう。
よーかい自身は、この結果をどう見たらいいのか、正直まだよくわからないでいます。
たしかに、沖縄は一種の「閉鎖性」もあって、他県では当たり前に行われていることが、情報の少なさもあって、まだ前時代的にしか行われていなかったり、必要なことが抜けていたりするのかもしれませんね。
やっぱり内地にいると、どれだけ情報を集めても、推測の域をでなくなってしまう部分があって、そのあたり、実際に現場に触れる機会の多いさとちゃんの意見は参考になります=*^-^*=にこっ♪
コメントどうもありがとう。
よーかい自身は、この結果をどう見たらいいのか、正直まだよくわからないでいます。
たしかに、沖縄は一種の「閉鎖性」もあって、他県では当たり前に行われていることが、情報の少なさもあって、まだ前時代的にしか行われていなかったり、必要なことが抜けていたりするのかもしれませんね。
やっぱり内地にいると、どれだけ情報を集めても、推測の域をでなくなってしまう部分があって、そのあたり、実際に現場に触れる機会の多いさとちゃんの意見は参考になります=*^-^*=にこっ♪
Posted by よーかい at 2007年10月26日 10:55






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