2006年08月14日

○1998年度論作文実施問題

【全校種共通】

●テーマ
進路指導を充実させるために、あなたはどのように取り組みますか。


●テーマの分析
 近年、学校教育において、進路相談が特に重視されるようになったことは、生徒を受け入れる社会の変化、特に産業構造、職業構造の複雑化や流動化と青少年の高学歴化への志向が学内の教育の変化をもたらしたことが進路指導の充実への要請となり、とりわけ個別指導の徹底を目指す進路相談への期待が重視される理由とも考えられる。
 さらに、生徒の学校不適応や問題行動とのかかわりから、生徒に将来に対する目的意識を持たせるためにも進路相談が重視されてきたと考えられる。

 この進路相談が重視される理由として、まず社会の進展に伴う産業構造や職業構造の変化があり、このことが社会にでようとする生徒に対する適切な進路情報資料の活用や進路の選択決定への個別指導、進路相談の充実への要請となっているのである。
 そして、産業の変化を産業別就職者数から見てみると、第一次産業の就職者が大幅に減少し、第二次産業、第三次産業の就職者の急激な増加が顕著である。
 また、職業分野でも大きな変化がみられ、職業・職種ともに、職務内容も変わってきている。
 これらのことは、生徒の職業選択や将来の見通しに対して大きく影響を与えていることも事実であり、それへの対応の指導が望まれている。

 ところで、上級学校へ進学する者の中には、学業に熱心でない者、将来への期待や見通しを持たない者、周囲の者が進学するからという無目的な者などがあり、そのことが中途退学や進路変更となって現れている。
 そこで、生徒達が明確な将来の見通しや目的意識を持って進学するためには、学校における進路相談を通じた適切な指導への期待は大きい。

 それ故、学校教育は、教え、育てることが一体となって人間形成や人格の完成を目指すものであるから、進路相談もその大きな一翼を担っていると考えることである。


●論点
 ①進路相談の内容の明確化
 進路相談は、個々の生徒の進路に関わる発達課題を生徒が主体的に達成できるための指導・援助であり、進路指導、とりわけ進路相談は、個々の生徒の、学校から社会への円滑な意向を援助する極めて有効な手段としての意義を持っていることをわきまえることである。

 ②進路指導を充実させる方策
 現在の青少年の大部分は、長い期間にわたって学校等の教育機関で学んでいる。
 そのため、同世代あるいは同一年齢層との交流が中心になりがちになり、ともすればいわゆる成人社会、実社会との会話や交流が少なくなってきているようである。
 また、教育機関では、抽象的な知識の習得が重視され、現実の対応に関する指導がとかくおろそかにされやすいとの指摘もある。
 そこで、進路相談においては、個々の生徒の進路先の選択決定だけにとどまることなく、それ以前の指導、例えば進路意識の高揚、進路適性の吟味、進路の明確化などの指導・援助や将来の生活へのよりよい適応、そこでの自己実現ができる能力を育てること等を含めた広い視野に立って、行われることが必要であるため、これらのことを進路指導室の基本として指導することとする。

 ③教育基本方針の熟知
 その基本は、「人づくり」であるが、その標榜は、「平和で明るい活力ある県づくり」を進めている。
 そして、それには、創造性・国際性に富む人材の育成と文化・スポーツの振興を教育目的に掲げている。
 また、施策として、次のことを積極的に推進しているためこれらを熟知しておくことである。
 
 1)学校教育の充実・発展
 2)社会教育の充実・発展
 3)青少年の健全育成
 4)文化・スポーツの振興
 5)国際化・情報化への対応  

2006年08月14日

○2001年度論作文実施問題

【全校種共通】

●テーマ
「夢」について、あなたの考えを書きなさい。


●テーマの分析
 「夢」は
「(イメ(寝目)の転)①睡眠中にもつ非現実的な錯覚または幻覚。多く視覚的な性質を帯びるが、聴覚・味覚・運動感覚に関係するものもある。②はかない、頼みがたいもののたとえ。夢幻。③空想的な願望。心のまよい。迷夢。④将来実現したい願い。理想。」〔広辞苑・第四版〕
と辞書にあるが、ここでは「人格の完成」を目指す教育に関わることとすると④の「将来実現したい願い」ととらえることが妥当ではないかと思われる。
 
 次のように、ある県の「平成14年度 教員採用案内」の一部にも見られる語でもある。

・あなたに何が見えますか(表題) ○○県教育委員会(抜粋)
 子どもたちの夢を育み、夢を実現できる力を培うこと、それが私たちの願いです。
 聞かせてください、あなた自身の手で夢を。
 ○○県の教育 学校教育においては、次代を担う児童生徒の心身ともに健全で、調和のとれた人格の発達と生涯にわたり学習を行うために、必要な基礎的・基本的な能力や自ら学ぶ意欲・態度を培うことが求められています。
 そこで、○○県では、教育の長期ビジョン「○○県の教育“夢・未来025”」に基づき、児童生徒が基礎・基本を習得し、個性を伸ばすことのできる学校教育づくりを推進しています。

 そこで、ここに「夢」と示したかった教育委員会の気持ちをじっくりと考えるとともに、出題県である沖縄県の教育を考え、しかる後に後者を優先させて、表記することである。
 そうすることによって、その特性も強調されることになるため、単に語の意味だけにとらわれた浅薄な文章ではなく、正に説得力も発揮されると思われる。


●論点
 ①抽象題についての心得:抽象(Abstoraction)とは、事物または表象のある側面をぬき離して把握する心的作用である。
 そのため、様々な捉え方があるのも当然ということになる。
 しかし、教員採用選考の貴重な資料となるものであるため、その課題についても、相当な議論があった後に決定されているのであるから、十分な心得に基づいて表記することである。
 その際、参考になる唯一の資料は、出題県である沖縄県の「教員採用案内」に示されている文言であり、教育の基本方針や求める教員像などである。
 ただし、そこに示されている用語で記憶に残っている文言をそのまま表記するのではなく、自らの表現として表記することがより一層説得力を発揮させることができるということも大切なことの一つである。

 ②教師を志すものとしての強固な意思表示:沖縄県の事情に精通し、志望する校種における教育についての造詣を深くし、その基本として、教育愛の心に満ちていることを適切に伝えるようにすることである。

 ③教育課題の熟知と教職に対する意欲の発揮:沖縄県において重要な教育問題の一部として、児童生徒の学力や高等学校生徒の中途退学者のことがあり、教育行政としての重要課題として積極的に取り組んでいる様子がうかがえる。
 そして、学校教育においては、教師の果たす役割がとりわけ重要であるとの認識に基づき、教師としてすぐれた資質を備えた人材を確保しようとの熱意が一際顕著であることも事実である。
 そのため、次のような視点で選考に当たっているとその姿勢も明らかにしているため、これらのことを熟知することが、難関突破の第一歩とも言える。

  1)教師としての責務を正しく認識し、使命感を持つ教師。
  2)教育に対する深い愛情を持つ教師
  3)つねに自己研鑽に努める教師
  4)本県の地理的特殊性から積極的に離島・僻地の学校教育に携わる意思のある教師。  

2006年08月14日

○2002年度論作文実施問題

【全校種共通】60分・1200字・書式不明

●テーマ
「心」についてあなたの考えを述べよ。


●テーマの分析
 なぜ「心」がテーマなのか、現在の子どもたちの実態を考えてみよう。
 いじめ・暴力その他の反社会的な行動や不登校などの非社会的な行動の背景を分析し、検討すること。
 
 子どもたちの倫理観や社会性の不足、社会全体のモラルの低下等を背景にして、幼児期からの「心」の教育を大事にし、学校教育の在り方、家庭のあり方、地域の在り方について、それぞれの役割とそれぞれの生活環境についての点検と分析を行うこと。
 子どもたちの心の育成は学校教育のみによって育成されるものではない。
 「豊かさの中の貧困」といわれているように、近年「心の貧しさ」は、家庭生活や地域社会の生活環境に深く関わっている。
 これからの社会における最も重要な人間関係について、学校・家庭・地域社会が提携し合い、協力し合って育成することの大切さを述べること。


●論点
 ①「心」の定義(心の構成要素)=生きる力の根源
 
 ②思考力・判断力・感性を培う学校教育=自ら考え、自ら判断し、主体的に行動する子どもの能力の開発と思いやりの心の育成
 a.感動と発見の体験学習の創意工夫
 b.学級活動での係分担とグループ活動による自己責任と助け合いの精神の育成
 
 ③家庭における「心の教育」と学校の提携=基本的生活習慣の涵養(しつけ教育)と善悪を正しく判断する規範意識の養成。
 
 ④地域社会における子どもの「心の教育」と学校の提携=社会性(集団生活での生き方)の養成

*沖縄県の現状を念頭に置き、恵まれた自然を活かし、豊かな感性と思いやりのこころを培う内容を述べる。

*「心」をどうとらえているかという視点から教師として、どのような信念に基づき、子どもたちにどのように接し、共感的理解と信頼関係を築こうとしているのかを明確にする。
 そして、できるだけ具体性をもたせて(自らの体験をふまえて)、教師としての指導力発揮の可能性を表現する。
  

2006年08月14日

○2003年度論作文実施問題

【全校種共通】60分・1200字・横書き

●テーマ
「人権」について自由に論じなさい。


●テーマの分析
 「人権教育」といえば学校教育法第11条を知らなければ教員になる資格はないといえよう。
 また国連が定めた「児童の権利条約(1989年)」もあり、日本にも「児童憲章」がある。
 いじめの問題が急増したとき「いじめの問題に関する総合的な取り組みについて」の報告書が平成8年に協力者会議から出ている。
 ここには「『弱い者をいじめることは人間として絶対に許されない』との強い認識に立つこと」とし、人権問題として対処するよう望んでいる。

 「人権教育」は大きく分けて2つの意味を持つ。
 一つは教師や大人が子どもの人権を十分に尊重した上で教育を行うということである。
 当然、ここでは体罰があってはならないということである。
 もう一つは児童生徒に人権尊重の心を養うことである。
 学校教育法第11条や児童権利条約は前者である。

 いじめを人権問題として子どもたちに認識させなければならない。
 発生してしまったいじめに、担任としてどう対応するか、いじめる側、いじめられる側、クラス対策とある。
 そこには、いじめが二度と起きないようどうするかである。


●論点
 この論文で「人権教育」となればいじめを多くの人が取り上げるであろう。
 差別の問題などでもよい。
 ただ教員採用試験の論文は評論を求めてはいないので、「私はこのようにする」との回答を期待している。

 「人権問題」としていじめを扱うならば、いじめの当事者への対応も必要であるが、それ以上に学級対策である。
 クラスメートとしてなぜ事前に防止できなかったかの意識向上である。
 いじめという事件は、学級全体で考える貴重な問題提起となる。
 校種を冒頭で明らかにし、その発達段階に応じた展開を考えることは当然である。

 論文全体の文章構成を「起承転結」とし、本文には「承」と「転」を当てる。
 本文は全体の字数の3分の2程度とする。
  

2006年08月14日

○2005年度論作文実施問題

【全校種共通】60分・1200字・横書き

●テーマ
「かかわり」について述べよ。


●テーマの分析
 「かかわり」をどのように解釈するかである。
 このテーマは教員採用試験で課された論作文であれば、これを「子どもとのかかわり」と読み取れるであろう。
 その子どもとは志望校種の児童生徒であることは当然である。
 さらに己は教師であるから、教育効果の上がるかかわり方でなければならない。


●論点
 前文(全体の6分の1程度の字数)では、教師である己と児童生徒とはどのような関係にあることが理想的と言えるであろうか。
 その結論を明らかにする。
 例えば、相手が中学生であるなら、こちらが「聞き役に徹する」とするなどもよい。
 
 本文(全体の3分の2程度の字数)では、前文を述べた理想的な関わり方の具体的な取り組み方を述べる。
 この本文は起承転結の承と転の二つからなっている。
 まず承では、学級討議では全員に発言の機会を与える。
 中学生になると発言しなくなる。
 そこで発言しやすくするため、教師の己の発言を減らしていく。
 また転では、発言内容を可能な限り認めるのである。
 相づちを打って容認の態度を示す。
 そうして発言しやすい雰囲気づくりに努力する。

 結文(全体の6分の1程度の字数)では、己の評価をするとよい。
 今日の学校教育は地域ぐるみで行われる。
 そのためには学級担任として地域理解が必要である。
 教員として着任したら学校の地域をくまなく巡回し、理解していく。
 こうして課題解明の姿を示すとよい。
 単なる決意表明であってはならない。  

2006年08月14日

○2006年度論作文実施問題

【全校種共通】60分・1200字・横書き

●テーマ
「個」をテーマにして、1200字以内であなたの考えを述べよ。


●テーマの分析
 「個」を「個に応じた指導」とか「個性尊重教育」、また「生きる力」の「自分で」とか「主体的に」と解することもできる。
 また絶対評価や個人内評価も同様である。
 教員採用試験論文であるから、ここに挙げた教育問題を取り上げて、「私はこのようにする」と具体的な取り組み方を述べるのである。


●論点
 評価方法が相対評価から絶対評価に移行して久しい。
 なぜ変えたのか、理由を述べる。
 そして観点別評価が導入されている。
 また到達度評価とも言われている。
 ここまでを前文とし、次の本文で学校をどう変えようとしているのか。
 それには己はどのように関わるというのかを述べる。