2006年08月18日

文部科学省「確かな学力」について:14

○学習指導要領に示されていない内容を指導する際には、どのような点に留意すればよいか


学習指導要領に示されている内容は、全国どこの学校でも子どもたちに共通に指導する必要がある。

その上で、子どもの実態に応じて、必要に応じ、学習指導要領に示されていない内容を加えて指導することも考えられ、学習指導要領に示されている内容身に付けている子どもに対して、共通に指導した内容をさらに深めたり、思考力・判断力・表現力や学ぶ意欲をさらに高めることが期待される。

今回の一部改正では、このことをより明らかにするため、学習指導要領の総則の記述をより分かりやすい形にあらためた。

なお、学習指導要領に示されていない指導を行う際には、それぞれの教科、学年の目標や内容の趣旨を逸脱しないことや、子どもの負担過重にならない範囲で行うことが大切。  

2006年08月18日

文部科学省「確かな学力」について:13

○「学習指導要領の基準性」とは何か。また、「はどめ規定」とは何か。


「学習指導要領」には、すべての子どもに指導すべき内容が示されている。
「学習指導要領の基準性」とは、各学校において、この「学習指導要領」に示されている共通に指導すべき内容を確実に指導した上で、子どもの実態を踏まえ、「学習指導要領」に示されていない内容を加えて指導することができるという性格のことをいう。

このような「基準性」は、学習指導要領総則に示されており、昭和33年に「学習指導要領」が告示されて以来、変わっていない。

また、「学習指導要領」では、それぞれの教科の内容について、共通に指導すべき内容の範囲や程度を明確にしたり、学習指導が網羅的・羅列的指導にならないようにするため、「~は扱わない」などの「はどめ規定」が示されている。

「はどめ規定」は、あくまで「学習指導要領」に示されている内容を全ての子どもに共通に指導する場合に留意事項であって、必要がある場合には、「はどめ規定」にかかわらず指導することも可能なもの。

ただし、それぞれの教科等や学年等の目標や内容の趣旨を逸脱しないことや、子どもの負荷過重にならない範囲内で行うことが大切。

今回の一部改正では、このことをより明確化するとともに、各教科等でも留意事項を示している。  

2006年08月18日

文部科学省「確かな学力」について:12

○なぜ学習指導要領を一部改正したのか。また、学習指導要領の一部改正はどのような内容か。


現在の「学習指導要領」については、各学校や教育委員会の熱心な取組で、そのねらいの実現に向けた取組が一定の成果を上げている。
しかし一方で、一部の学校では、創意工夫が十分行われずに指導に必要な時間が確保されていなかったり、総合的な学習の時間で体験活動に偏っているなど、「学習指導要領」のねらいを十分に踏まえた指導がなされていない事例も見られる。

そこで、「学習指導要領」のねらいの更なる定着を進め、その一層の実現を図るために、平成15年10月に出された中央教育審議会の答申を踏まえ、平成15年12月に現在の「学習指導要領」を一部改正した。

今回の一部改正は、現在の「学習指導要領」の記述をより分かりやすい形に改めることにより、その趣旨の理解をこれまで以上に浸透しようとするもの。
そのポイントは以下のとおり。

①各学校で学習指導要領に示している内容を確実な定着を図るための指導を行った上で、子どもの実態に応じて、必要に応じ、学習指導要領に示されていない内容を指導することができる性格(「学習指導要領の基準性」)をより明確化する。

②「総合的な学習の時間」の活動をそれぞれの教科と関連付け、各学校ごとに目標や内容を示す全体計画を作成する。

③習熟度別指導や補充・発展学習を取り入れた指導など、「個に応じた指導」を柔軟かつ多様に導入する。

④各学校で指導に必要な時間をきちんと確保する。

これにより、各学校で創意工夫を生かした取組が一層進み、「わかる授業」が行われることにより、子どもたちに「確かな学力」を育むことを期待している。  

2006年08月18日

文部科学省「確かな学力」について:11

○「指導と評価の一体化」とはどういう意味か。


学校においては、計画、実践、評価という一連の活動が繰り返されながら、児童生徒のよりよい成長を目指した指導が展開されている。
すなわち、指導と評価は別物ではなく、評価の結果によって後の指導を改善し、さらに新しい指導の成果を再度評価するという、指導に生かす評価を充実させることが重要である。
このことを「指導と評価の一体化」という。

このような「指導と評価の一体化」を進めるためには、評価活動を評価のための評価に終わらせることなく、指導の改善に生かすことによって指導の質を高めることが一層重要となる。
また、学習の評価を、日常的に、通信簿や面談などを通じて、児童生徒や保護者に十分説明し、児童生徒や保護者と共有することなども大切。  

2006年08月17日

文部科学省「確かな学力」について:10

○子どもの成績を「観点別学習状況の評価」と「評定」で評価していると聞くが、そのようなものか


これからの社会を生きる児童生徒にとって身に付ける必要がある学力は、知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、表現力などを含む幅広い学力である。
このような学力がどの程度身についているかを的確に把握するため、学校においては従来から、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の4つの観点から見た学習状況の評価(観点別学習状況の評価)を基本としている。
(観点の数は教科によって異なっているものもあるが、「観点別学習状況の評価」は、各教科の学習状況を分析的に評価するものであり、学習指導要領に示す目標に照らして、その実現状況を観点ごとにA、B、Cの3段階で評価するもの。

「評定」は、観点別学習状況を基本として、各教科の学習状況を総括的に評価するものであり、小学校(3学年以上)では3,2,1の3段階、中学校では5,4,3,2,1の5段階で評価するもの
従来は「集団に準拠した評価」によっていたが、今回の指導要録の改善により、評定についえも「目標に準拠した評価」を行うことになったところである。
  

2006年08月17日

文部科学省「確かな学力」について:9

○「目標に準拠した評価」「集団に準拠した評価」「個人内評価」について、それぞれどのようなものか


「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)は、学習指導要領に示す目標がどの程度実現したか、その実現状況を見る評価のことを指す。
一方、「集団に準拠した評価」(いわゆる相対評価)は、学年や学級などの集団においてどのような位置にあるかを見る評価のことを指す。
また、「個人内評価」は、児童生徒ごとのよい点や可能性、進歩の状況などを積極的に評価しようとするものである。

各学校においては、目標に準拠した評価を一層重視するとともに、個人内評価を工夫することが求められる。  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:8

○子どもの評価が「相対評価」から「絶対評価」へと変わったが、どう変わったか。また、その理由は


新学習指導要領においては、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを重視していることから、評価についても、学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価を一層重視することが重要となる。
このため、指導要録においても、これまでの考え方を更に発展させ、従来から「目標に準拠した評価」による「観点別学習状況の評価」に加え、「評定」(各教科の学習状況を総括的に評価するもの)についても、「集団に準拠した評価」(いわゆる相対評価)から「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)に改めたところである。

その主な理由は以下の通り。

ア.児童生徒一人一人の進歩の状況や教科の目標の実現状況を的確に把握し、学習指導の改善に生かすことが重要であるが、そのためには、目標に準拠した評価が適当であること。

イ.学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容の確実な定着を図る観点から、児童生徒が学習指導要領に示す内容を確実に習得したかどうかの評価を一層徹底する必要があり、そのためには、目標に準拠した評価が優れていること。

ウ.各学校段階において、児童生徒がその学校段階の目標を実現しているかどうかを評価することが、上級の学校段階の教育との円滑な接続に資する観点から、重要となっていること。

エ.新学習指導要領では、習熟の程度に応じた指導など個に応じた指導を一層重視しており、学習集団の編成も多様となることからが考えられるため、指導に生かす評価の観点からは、目標に準拠した評価を常に行うことが重要となること。

オ.少子化等により、かなり広範囲の学校で、学年、学級の児童生徒数が減少してきており、評価の客観性や信頼性を確保する上でも、集団に準拠した評価によるよりも、目標に準拠した評価の客観性を高める努力をし、それへの転換を図ることが必要となっていること。  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:7

○指導要録とは何か。通信簿(通知表)や調査書(いわゆる内申書)とは何が違うのか


指導要領は、児童生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し、その後の指導に役立たせるとともに、外部に対する証明等の際の原簿となるものであり、どこの学校でも必ず作成しなければならない書類である。
指導要録における評価方法や観点等は、日頃の学習指導と評価において基盤となる考え方や方法を示すものであり、重要な役割を果たしている。
新学習指導要領の下での指導要録については、平成13年4月に、指導要録に記載すべき事項や参考様式等を、文部科学省から各教育委員会等に通知している。
各教育委員会等においては、これを基に、所管の学校の指導要録の様式等を定めている。

一方、通信簿(通知表)は、各学校において、子ども自身や保護者に学習状況を伝え、その後の学習を支援することに役立たせるために作成されているものであり、その扱い、記載内容や方法、様式などは各学校の判断で適宜工夫されている。

また、調査書(いわゆる内申書)は、高等学校等の入学者選抜のための資料として作成されるものであり、生徒の平素の学習状況等を評価し、学力検査で把握できない学力や学力以外の生徒の個性を多面的にとらえたり、生徒の優れている点や長所を積極的に評価しこれを活用していくという趣旨のものである
調査書は、各都道府県教育委員会等において、その様式や記載事項が定められている。

このように、指導要録、通信簿、調査書は、それぞれ作成の目的や機能が異なっている。  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:6

○現在の学習指導要領では、教育内容がかなり削減されたが、子どもたちの学力が低下しないか


現在の「学習指導要領」では、各学校でより効果的な指導を行うことができるように、各教科の間で重複する内容をまとめたり、高度になりがちな内容を上の学年や学校段階の内容と移行・統合し、体系的にわかりやすくするなど、すべての子どもに共通に指導する教育内容を厳選している。

小・中学校では、これにより生じる時間的・精神的な「余裕(ゆとり)」を活用して、「個に応じた指導」を実施し、基礎・基本を確実に習得させるように努めている。

また、中・高等学校では、「選択学習の幅の増大」や「個に応じた指導」により、生徒の興味・関心等に応じて、発展的・補充的な学習ができるようになっている。

これにより、小・中・高等学校を通じて、子どもたちに「確かな学力」を育むことを目指している。  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:5

○「確かな学力」とはどのような力か


これからの子どもたちには、基礎的・基本的な「知識や技能」はもちろん、これに加えて「学ぶ意欲」や「思考力・判断力・表現力など」を含めた幅広い学力を育てることが必要。
これを「確かな学力」という。

大学や企業の人事担当者も、今の子どもについて論理的思考力や問題発見能力、行動力・実行力などについて課題があると指摘している。
また、全国的・国際的な学力調査では、今の日本の子どもたちは、学ぶ意欲や判断力、表現力に課題があることが指摘されている。

各学校では、子どもたち一人一人に応じて指導するなど「わかる授業」を行い、「確かな学力」を育むことができるようにすることが求められる。
  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:4

○「生きる力」とはどのような力か


これからの変化の激しい社会においては、学校で学んだ知識のみで社会生活を営むのではなく、子どもたち一人一人が自ら個性を発揮し、困難な場面に立ち向かい、未来を切り拓いていく力が求められる。

このため必要となるのは、自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」、他人を思いやる心や感動する心などの「豊かな人間性」、たくましく生きるための「健康や体力」などの「生きる力」である。

子どもたちの「生きる力」は、学校だけでなく、家庭や地域と一緒になって育むものだが、学校では、これからの生涯学習社会の中で、社会に出た後も生涯学び続けることができる基礎的な資質や能力を育むことを重視している。

このような「生きる力」を育成する重要性は、平成8年の中央教育審議会答申で提唱されたものであり、現在の「学習指導要領」のねらいとなっている。  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:3

○現在の学習指導要領はどのような内容か


現在の学習指導要領は、平成10年、11年に全面改定が行われ、小学校・中学校では平成14年度から全ての学年で実施されており、高等学校では平成15年度入学者から、順次実施されている。

この「学習指導要領」では、子どもたちに基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」、「豊かな人間性」、「健康や体力」などの「生きる力」を育むことをねらいとしている。

このため、具体的には、
 ①教育内容を厳選し、習熟度別指導など一人一人の子どもに応じた「わかる授業」を行うことにより、基礎・基本を確実に習得させる

 ②「総合的な学習の時間」などを通した体験的・問題解決的な学習を行う

 ③中・高等学校では、選択学習の幅を一層拡大し、生徒の興味・関心等に応じて、発展的な学習などを行う

などの見直しがされている。  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:2

○これまでの学習指導要領の変遷について


「学習指導要領」は戦後すぐに試案として作られたが、現在のような大臣告示の形で定められたのは昭和33年のことであり、それ以来、ほぼ10年毎に改訂されてきた。

それぞれの改訂における、主なねらいと特徴は以下のとおり。

□昭和33~35年改訂
 教育課程の基準としての性格の明確化
 (道徳の時間の新設、系統的な学習を重視、基礎学力の充実、科学技術教育の向上等)

□昭和43~45年改訂
 教育内容の一層の向上
 (「教育内容の現代化」)
 (「時代の進展に対応した教育内容の導入(算数における集合の導入等))

□昭和52年~53年改訂
 ゆとりのある充実した学校生活の実現
 =学習負担の適正化
 (各教科等の目標・内容を中核的事項にしぼる)

□平成元年改訂
 社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成
 (生活科の新設、道徳教育の充実等)

□平成10~11年改訂
 基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」の育成
 (教育内容の厳選、「総合的な学習の時間」の新設等)

  

2006年08月16日

文部科学省「確かな学力」について:1

○学習指導要領とはどのようなものか。


全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めている。
これを「学習指導要領」という。
「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めている。
また、これとは別に、学校教育法施行規則で、それぞれの教科等の年間の標準授業時数等が定められている。
各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成している。  

2006年07月31日

ゆとり教育

 1996年7月の中央教育審議会答申(第一次答申)「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」で、子どもに「生きる力」をはぐくむために子どもたちをはじめ、社会全体に「ゆとり」が重要であるとされた。
 現在、具体的には、完全学校週5日制の実施、教育内容の厳選により、時間的・精神的な「ゆとり」が目指されている。  

2006年07月31日

ボランティア・体験活動

 1998年7月教育課程審議会答申では、「生きる力」の育成のための体験活動とともに、ボランティア活動の重要性が示された。
 例えば、特別活動で「ボランティア活動は、地域社会の一員であることを自覚し、互いが支え合う社会の仕組みを考える上で意義あることであると同時に、単に社会に貢献することだけでなく、自分自身を高めるためにも必要なことであり、大切なことである」と意義づけられたほか、道徳教育、「総合的な学習の時間」の中でも自発性育成のために重視されている。  

2006年07月31日

不登校

 不登校を理由として、年間30日以上欠席した小・中学校の児童・生徒は、2003年度には12万6212人で減少しつつある。
 不登校のきっかけは、小学校では「本人の問題」や「家庭生活に起因するもの」が多く、中学校では、友人関係や学業不振など「学校生活」の割合が高くなっている。
 2003年4月、文部科学省の「不登校問題に関する調査・研究協力者会議」は、「今後の不登校への対応の在り方について」と題する報告書をまとめ、不登校児童・生徒に対して、状況に応じて適切に働きかけることが重要と提言した。  

2006年07月31日

不適格教員

 不適格教員とは、①児童・生徒に対する指導が不適切、②研修等必要な措置が講じられたとしても、なお児童・生徒に対する指導が不適切、という2つの要件に該当する教員をいう。
 2001年7月に地方教育行政法が改正され、不適格教員を免職した上で教員以外の職種に異動できる規定が設けられた。  

2006年07月31日

ノーマライゼーション

 語源は北欧の障害者福祉の考え方で、障害者や高齢者など一定の社会的弱者が存在する社会が正常(ノーマル)な社会であるとするもの。
 障害者が健常者と同じような社会生活を送れるように環境整備をすることがノーマライゼーションの重要課題である。  

2006年07月31日

注意欠陥多動性障害(ADHD)

 注意散漫(不注意)、衝動性、多動の3つを主症状とする障害で、かつては微細脳機能障害や多動児症候群と呼ばれた。
 年齢相応でない過剰な活動性と行動のコントロールができないことが特徴である。