2008年07月26日

親の8割、公立小中学校に「満足」 朝日・ベネッセ調査

公立の小中学校に満足している保護者は8割近くに達し、先生への評価も上昇――。
朝日新聞社とベネッセ教育研究開発センターが共同実施した5千人を超える保護者への意識調査が25日まとまり、そんな結果が出た。
4年前の前回、満足度の低かった都市部や高学歴の親で伸びが目立ち、公立学校への信頼回復の兆しがうかがえる。



学校教育などに対する保護者の意識を問う調査は、文部科学省や日本PTA全国協議会も行っている。
しかし、5千人を超える規模で、学歴や経済的なゆとりにまで踏み込んで尋ね、学校や教育政策への意見の変化を継続的に調査・分析したものはない。


今回、子どもの通う学校に、「満足している」(「とても」「まあ」の計)と答えたのは77.2%。
前回から継続して参加した計31校の小中学校で変化を見ると、満足度は72.8%から76.4%に上がった。


前回満足していなかった層で上昇が目立つ。


地域別では、前回、最も満足度の低かった「東京23区と県庁所在地」が75.2%で、12ポイントアップ。
学校別では中学生の子をもつ家庭で9ポイント高まり、70.1%になった。


学歴別では「父母とも非大卒」が2ポイント増に対し、両親の少なくとも一方が大卒だと5ポイント以上上昇。
母親の就労別だと、最も低かった「専業主婦」が77.0%に増え、「パートやフリー」「常勤」と並んだ。


学校の取り組みごとの満足度を見ると、最も伸びたのは「教育方針や指導状況を保護者に伝えること」(情報提供)で8ポイント高まった。


このうち、小学校は「学芸会や音楽会などの文化活動」が7ポイント、「情報提供」が6ポイント増。
中学校では「情報提供」「道徳や思いやりの心を教えること」「社会のマナーやルールを教えること」がいずれも10ポイント伸びた。


教師や学校への評価も高くなった。


「学校の先生は信頼できる」(「とても」「やや」の計)と感じる保護者は56.8%で9ポイント上がった。
「先生たちの教育熱心さ」に満足しているのは64.0%と3ポイント増。
「教科の学習指導」への満足度も72.6%と3ポイント増えた。


一方、「学校は一人ひとりに応じた教育を行っていない」という答えは54.4%と8ポイント減。
「先生の教える力が低下している」と感じる人も49.4%と4ポイント低くなった。


こうした結果を、複数の専門家に読み解いてもらったところ、「情報公開や学力向上への取り組みを肯定的に評価する層が増えた」という分析の一方、「不満層の子どもの一部が私立や国立の中学に進学して調査対象から抜けた」ことや「学校への期待水準が下がった」ことが一因という見方もあった。


     ◇


〈調査方法〉

正式名称は「学校教育に対する保護者の意識調査」。
今年3月、25都県の小学2、5年生、中学2年生の保護者計6901人に、公立の小学校21校、中学校19校計40校を通じて質問紙を配り、5399人から回答を得た(回収率78.2%)。
初調査となる前回は03年末から04年1月に調べ、6288人から回答を得ている。


(2008年7月26日 朝日新聞)  

2008年07月18日

教員採用汚職 県内にも波紋

県教委 透明性に自信/志願者 ぬぐえぬ疑念

大分県の教員採用試験をめぐる汚職事件が、全国の教育現場に波紋を広げている。
文部科学省は十七日、全国の教育委員会に不正防止策の実態調査を指示。
沖縄県教委は庁内に検証委員会を設置し、不正がないかを確認する調査に乗り出した。

県教委は「不正はあり得ない」とするが、教員志願者らは疑念をぬぐえない。
二〇〇九年度試験は二十日から実施される。


「採用試験に関しては、全国一情報公開していると自負している。それだけに、不正はないと信じている」


仲村守和県教育長はこう強調した。「詳細は検証委員会で調査中」としながらも、こう断言するのは、
(1)採用担当者や選考委員は長くても二年ほどしか務めないため、癒着や点数操作は難しい
(2)十人余の選考委員が、受験番号と点数が書かれたデータを共有しているため、データ改ざんはできない
―という。


大分県で不正行為が長年続けられた背景には、選考の「密室性」があると指摘されているが、沖縄は「面接官に臨床心理士ら外部の人を加える」などして〝透明性〟を確保していることも説明する。


県内で昨年、採用試験で採点ミスが多発した「反省」から、二十日に始まる〇九年度試験ではこれまで認めていなかった問題用紙の持ち帰りを許可。
問題と解答の早期開示や一次、二次試験後に個人得点と順位を送付するなど、「万全の備え」で採用試験を実施する決意を見せる。



汚職事件を契機に、沖縄でも同様の不正があるのではないかという不信感が受験者の間で広がっている。


「臨時の採用で、校長の推薦があったり、親が教員の場合は採用されやすいといううわさをよく聞く」


本島で中学校の臨時教員をしている三十代の男性は「沖縄は地縁や血縁の結び付きが強い上、教員の世界は先輩後輩の力関係がある。本務教諭の採用で、同じことがないとはいえないのではないか」と疑心暗鬼だ。


教員採用試験予備校「沖縄教育カレッジ」の宮里祐光理事長は「採用試験への不満が広がれば、県民から教員の質を問われることになる」と警鐘を鳴らす。


これまでも、受験者から二次試験の面接で担当者によって評価にばらつきがあったという不満が上がっていたという。


県教委が設置した不正を調査する検討委員会は庁内の機関で、透明性が不十分だとする指摘もある。


宮里理事長は「第三者を入れた採用委員会を立ち上げ、不正が起きないシステムづくりをする必要があるのではないか。県教委には受験者、県民が納得のいく制度を追求してほしい。隠す必要がない情報は、積極的に公開してほしい」と要望する。



(2008年7月18日(金)沖縄タイムス)  

2008年07月16日

NPOが新バイオ燃料提供/県内へ100トン供給目指す

バイオディーゼル燃料の普及事業を進めるNPO法人「環境いきいき沖縄ネットワーク」(吉川博也理事長)は8月上旬から、インドネシア産の植物・ヤトロファの種子油を会員企業に提供する。
CO2や排ガスの削減効果があるのに加え、軽油より安価なのも魅力。

元沖縄大学教授の吉川理事長は「熱帯雨林の維持と保全も図りながら、永続的に供給していきたい」と、意欲を燃やしている。


種子の約35%が油分のヤトロファはトウダイグサ科の樹木で、和名はナンヨウアブラギリ。
近年、バイオディーゼル燃料の原料として各国で開発が進められているほか、毒性があって食べられないことから、食糧の供給とも競合しない。

同NPOは、昨年六月から今年一月までマレーシアからパーム(ヤシ)油を輸入、会員に提供してきたが、吉川理事長は「需要の急増による熱帯雨林の減少や、途上国の食べ物を奪うという問題があった」と説明。


昨年十月からヤトロファ輸入の取り組みを進め、六月にはインドネシアの農業法人「LAKKO」社と契約を締結した。
八月には精製工場も完成。
今後は約二万九千ヘクタールの農地で、年間二千―三千トンのバイオディーゼル燃料の生産を目指す。
八月には県内十数社と契約し、百トンを供給する。


工場には新たな油ろ過装置を導入。
従来のバイオディーゼル燃料と違い、精製時に化学薬品などの有害物質を使わずに不純物を取り除くことで汚水も出ず、植物油をそのまま燃料として使えるという。


吉川理事長は「パーム油は気温一二度以下、ヤトロファは五度以下になると液体が凝固するので、燃料ポンプに加熱装置が必要になるが、沖縄では必要がない」と強調。
「沖縄だからこそ、バイオディーゼル燃料を利用して、本土に対抗してビジネスができる」と語った。
将来的には県内での生産や、国内外の温暖な地域への輸出も検討している。


問い合わせは「環境いきいき沖縄ネットワーク」電話098(995)7111。




(2008年7月16日(水)沖縄タイムス)  

2008年07月16日

有害サイト防止で警察・携帯販売店・学校など覚書/宮古島

インターネットの有害サイト閲覧を制限するサービス、フィルタリングの利用を促進しようと、宮古島署と宮古島市内の携帯電話販売店、学校、PTAなどの教育関係機関が十五日、覚書を交わした。
同署によると、同様な取り組みは県内初。
携帯電話の有害サイト接続による児童・生徒の犯罪被害を防ぐ方針だ。



同署管内では、今年に入って携帯電話のサイトで知り合った未成年者へのみだらな行為などで逮捕された事案が三件発生。
覚書は六月末に、地域住民で構成する同署協議会の提案を受け、関係機関に呼び掛け実現した。


覚書は、締結者はあらゆる機会を通して普及促進のために活動するほか、販売店舗は親権者にフィルタリングサービスを十分に説明する、などとしている。



(2008年7月16日(水)沖縄タイムス)  

2008年07月16日

中学社会科にも「沖縄戦」

文部科学省が十四日に公表した中学社会科の新学習指導要領の解説書に、小学社会科と同様に、「沖縄戦」が新たに明記されたことが分かった。
加えられた文言は小学校の解説書と全く同じ。

同省は年内にも新指導要領が策定される高校についても「基本的に同じような考え方で対応する」としている。


中学社会科の解説書では、歴史的分野の「近代の日本と世界」の項目で、第二次世界大戦などに関して、日本がアジア諸国に損害を与え、日本国民も大きな戦禍を受けたことを記述。


戦禍の具体例として「各地への空襲、沖縄戦、広島・長崎への原子爆弾の投下など」との一文を加えた。


同省は「昨年の教科書検定を受けて、文科相が『(沖縄戦を)しっかり教えていくことが大事であり、それに努める』と談話を出したことを具体化するために盛り込んだ」と説明。
「解説書に明記したことで、教科書の記述が充実され、教諭がしっかり授業で取り上げるようになるのではないか」との見解を示した。


(2008年7月15日(火)沖縄タイムス)  

2008年07月02日

教科書問題「関係ない」/新指導要領で文科省が見解

文部科学省は三十日、二〇一一年度から完全実施される小学社会科の新学習指導要領の解説書に「沖縄戦」を明記することについて、「沖縄戦をしっかり教えることを明確に示した」としつつも「教科書検定意見をめぐる議論には直接関係ない」との見解を示した。
沖縄タイムス社の取材に答えた。


解説に「沖縄戦」が明記される影響として
(1)教諭が多くの場合、授業で取り上げるようになる
(2)教科書会社がさらに記述を充実させる可能性がある

―などと指摘。
その上で、「これまで教科書会社の判断で記述されていたものが、国として取り上げよう、と示したものであり、(沖縄戦の)学習が進むのではないか」と述べた。
一方で「どう教えるかは別問題。取り上げ方には触れていない」とした。


「集団自決」と軍とのかかわりについては「新指導要領に基づいた教科書を見て、もう一度事実はどうだったか、学説などを踏まえて次の検定で判断する」との考えを示した。


新指導要領では「第六学年の目標と内容」で、歴史学習の例として第二次世界大戦を明記。
解説書は「我が国が連合国と戦って敗れたことを調べ、各地への空襲、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下など、国民が大きな被害を受けたことが分かるようにする」との指針を示している。


文科省は同日、都内で、関東を中心とした自治体の代表らに解説書を説明した。
沖縄は十、十一の両日、福岡市内での説明会に参加する予定。



     ◇     ◇     ◇  
   
検定撤回こそ重要/「実相ゆがむ」関係者懸念



「沖縄戦の実相をゆがめる恐れがある」「まず検定意見撤回を」。
文科省の小学社会科の新学習指導要領解説書に、他の国内の戦争被害と併記して「沖縄戦」が盛り込まれたことに、県内で懸念が広がっている。



沖縄歴史教育研究会の新城俊昭代表(宜野湾高校教諭)は、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」について、日本軍の強制を削除させた二〇〇六年度の高校教科書検定意見が撤回されていないと指摘。
「文科省のスタンスに従えば『日本軍による住民殺害』という沖縄戦の大きな特徴を教えられず、被害だけを教えることになる。
これでは正確な歴史を学習できない。まずは検定意見を撤回するべきだ」
と話した。


沖教組の大浜敏夫委員長も、「特に他県の教師は、きちんと学ばなければ、沖縄戦の特質が分かならくなる」と危惧。
実際の教科書で正しく記述されるよう、県民が監視し、執筆者や教科書会社を支えることが必要だと訴えた。


「9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会」の玉寄哲永副委員長は「私たちが求めたのは、県民が日本軍によって殺されたり『集団自決』させられた事実を隠さないこと。文科省は県民の要求に応えず、『関与』程度の言葉に置き換えたまま、定着させようとしている」と憤った。


(2008年7月1日(火)沖縄タイムス)  

2008年06月25日

琉球の宝300年ぶり里帰り/故宮博物院所蔵

県教育委員会は二十四日、中国・北京の故宮博物院が所蔵する琉球王国から清朝への朝貢品百六点を借り受け、県立博物館・美術館で開館一周年の十一月から特別展で公開すると発表した。


琉球王国が十八―十九世紀に贈った宝物で、宝珠や清の皇帝を描いた絵画「康煕帝朝服像」や、竜の模様のある漆器「黒漆宝珠双龍螺鈿盆」など十六点は県初公開で、約三百年ぶりの“里帰り”となる。


仲村守和教育長は「琉球王朝の素晴らしい技術と中国の古くからの友好を感じてほしい」と話した。


県教委は故宮博物院との調査で、朝貢品六百九点の所蔵を確認。
二〇〇六年七月に、稲嶺恵一知事(当時)が訪中し、中国政府に貸与を要請した。
仲村教育長が十六日に同院を訪れ、協議書の調印式が行われた。
借用料約五百五十万円を支払うという。


朝貢品は十一月一日から十二月二十一日まで特別展で公開される。


(2008年6月25日(水)沖縄タイムス)  

2008年06月25日

名護4小学校 09年統合/久志中と一貫校設置へ

名護市教育委員会は二十四日までに、東海岸の二見以北にある天仁屋、三原、嘉陽、久志の四小学校を二〇〇九年に暫定統合する方針を固めた。


現在、四小学校を合わせた児童数は約百人。
方針では天仁屋、三原、嘉陽の三小学校を久志小学校に暫定統合し、二〇一二年度には久志中学校に併設した小中教育一貫校を設置する予定。


市議会九月定例会に、条例の改正案を提出する。


四小学校では児童数が減少し、二学年で一つの複式学級を編成。
児童がいない学年もあり、複式学級の編成が難しい学校もある。


市教委では、少人数では集団での教育が困難になるなどの理由から、統合を進める方針。
統合後は、スクールバスの配置を計画している。


市教委ではすでに、四小学校区の地域で保護者説明会や住民説明会を実施。
住民からは「地域に学校を残してほしい」など、学校の存続を求める意見も出された。


具志堅満昭次長は「もろ手を挙げて賛成する人はいないが、子どもたちの将来を考えると手をこまねいているわけにはいかない。一学年十五―二十人程度になり、集団での教育も可能になる」と、統合のメリットを説明。


「一貫校では、九年間を通した教育カリキュラムを設定するなどして、特色ある学校を目指す。
将来的には、市街地からの入学も認められるような措置をとりたい」としている。



(2008年6月25日(水)沖縄タイムス)  

2008年06月05日

首里クェーナ後世に/古謡保存事業で録音

県文化振興会が進める「沖縄古謡保存記録事業」の一環として三日、那覇市に伝わる「首里のクェーナ」の録音が同市の県立芸術大学で行われた。
首里クェーナ保存会(金城光枝代表)の会員が、「アガリユウ」などの収録に臨んだ。


金城代表は「指導していただいた首里の古老の皆さまに感謝したい。家族や平和を守るウナイ神としての女性の祈りを伝えていきたい」と話した。
立ち会った金城厚県立芸大教授は「三線が普及する以前の島々の歌はなくなりかけている」と保存の意義を強調した。


同記録事業では、二〇〇六年から八重山諸島や宮古諸島で録音を進めているが、沖縄本島では初めて。
今後本島や周辺離島の古謡の収集を進める予定で、各地での協力を呼び掛けている。


(2008年6月4日(水)沖縄タイムス)  

2008年06月04日

しまくとぅば「授業で必要」/那覇でシンポ

しまくとぅばの多様性と未来をさぐるシンポジウム(主催・文化の杜共同企業体、しまくとぅばプロジェクト準備会)が一日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館講堂であった。
沖縄語普及協議会の宮里朝光会長と琉球弧を記録する会の比嘉豊光さん、むぬかちゃーの知念ウシさん、狩俣繁久琉球大学教授の四人がしまくとぅばの次世代への継承に向け、議論。
約百人が耳を傾けた。


宮里会長は「集落ごとにある独特の言葉が『しまくとぅば』。各地のしまくとぅばを総じてウチナーグチという」と説明、学校などで方言での授業が必要と訴えた。


しまくとぅばでの証言記録を映像に収める活動を続けている比嘉さん。
「日本語に訳すと意味がちぐはぐになる」と方言で証言する意義を強調。
知念さんは「方言は、人と人をつなぐ空間のようなもので、私にとっては亡くなった祖父母の愛情。話すことで失った大事なものを取り戻す作業」と語った。


狩俣教授はやんばる地域だけでも、多くの方言があることを紹介。
「百年後の人が話したいと思った時に選択できる資料や学習プログラムを残すことが研究者の役割」と述べ、「粟国島の方言で素粒子理論が記されると面白い」と笑いを誘った。


(2008年6月3日(火)沖縄タイムス)  

2008年05月22日

県、活用力問題実施へ/全国学テに対応

県教育庁は全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に準じ、二〇〇八年度から県独自の達成度テストに活用力を問うB問題を組み込む。
二十一日、庁内に発足した「学力向上施策検討委員会」(仮称)で決定した。
小四と中二の全員を対象に、十二月実施される。



達成度テストは「基礎・基本」の定着を目的に、一九八九年度から毎年、国語、算数・数学、英語で行っている。
本年度から全国学力テストと同様の県学力調査(仮称)となり、国語と算数・数学の二教科は、基礎力をみるA問題とB問題の二種類になる。


昨年の全国学力テストで沖縄は全教科最下位で、B問題は全国平均を8―13ポイント下回ったため、同庁は活用力を育てる「分かる授業」の展開を各小中学校に提言。
B問題が学力調査に加わるのは、「活用力がどの程度定着しているかを把握するため」と説明している。


仲村守和県教育長は「学力テスト対策ではない。子どもたちが県外でも堂々と振る舞えるような学力がつくようにしたい」と話した。
学力向上施策検討委の委員長は金武正八郎教育指導統括監、メンバーは各課の課長ら。


六月には、外部の有識者を交えた「学校改善評価検討委員会」も発足し、各学校の学力向上の取り組みの分析・評価に乗り出す。


(2008年5月22日(木)沖縄タイムス)  

2008年05月15日

食育推進計画策定ゼロ/県内市町村

食育を総合的・計画的に推進するために家庭や学校、保育所、地域ごとに数値目標を立てる「食育推進計画」の本年度策定を予定している市町村が、県内では三市町にとどまっていることが分かった。
国は二〇〇五年食育基本法を制定し、都道府県や市町村に食育推進計画の策定に努めるよう定め、全国では〇七年二月現在千八百二十七市区町村が策定済み。



沖縄県は〇七年二月に同計画を策定。
一方、現在までに計画を策定している県内市町村はゼロ。
〇八年度中の策定を予定しているのは沖縄市、石垣市、久米島町の三市町だけで(策定率7・3%)。全国で低いほうから五番目だった。


全国で、策定済みや本年度中に策定予定している市町村が多いのは、愛知県で策定率90・5%(五十七カ所)。
青森県70%(二十八カ所)、東京都三十九カ所(62・9%)が続く。
逆に策定率が低いのは徳島県〇%、神奈川県3%、高知県5・7%、富山県6・7%。
都道府県によって食育に関する取り組みが大きく分かれた形だ。


調査結果をまとめた県健康増進課は「食育計画は住民にとって身近な問題だけに、市町村での計画策定は重要」とし、「作成についてアドバイスする説明会実施で、市町村の計画策定を支援していきたい」と話した。




[ことば]


食育推進計画

国の食育基本法に基づき都道府県や市町村が定める。
県計画では午後10時以降に就寝する3歳児の減少や朝食を毎日食べる生徒の増加など16項目で2010年度までの数値目標を掲げている。


(2008年5月14日(水)沖縄タイムス)  

2008年05月14日

学力向上 琉大と連携へ/県教委

授業や学テ分析予定

琉球大学と県教育委員会は二〇〇八年度から、「県学力向上推進プロジェクト」を共同で進める。
同大教員が小中学校に出向いて授業をしたり、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)結果を分析したりする予定。
県教委によると、大学と連携して学力向上対策を進めるのは初めて。



昨年の全国学力テストで沖縄県が全国最下位だったことに危機感を募らせた県と大学側が抜本的な解決を図るため、取り組みを進める。
具体的な中身はこれから話し合われるが、現在、研究校を選定中。
琉大教育学部の教授らが、〇七年度の全国学力テストの結果を分析しており、今後、その分析結果や教育理論を学校現場で生かしていく考え。


琉大の中村透教育学部長は「教育心理や歴史など、大学の持つ視点や知見を役立ててほしい。対症療法ではなく、根本的に教育をとらえ直さなければならない。子どもたちに沖縄の文化も教える取り組みを探っていきたい」と抱負を語った。


仲村守和県教育長は「学力向上対策を共に研究していくことに大きな期待を寄せている。大学の理論と実践を県のために生かしてもらいたい」と語った。


プロジェクトの一環で、二十四日午後三時から、同大生涯学習センターで研究会が開かれる。
学テで明らかになった沖縄の課題や、学力と学習環境との関係などについて、琉大や県教委の担当者が報告する。


(2008年5月13日(火)沖縄タイムス)  

2008年05月08日

全国体力テスト/県内全小中校参加へ

文部科学省が本年度から実施する小学五年、中学二年の全児童・生徒二百四十万人を対象にした「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)に、県内全市町村の小中学校が参加することが、七日までに県教育庁の意向調査で分かった。
約三万四千人が参加する。
七月までに、握力や五十メートル走などの八種目の実技と生活習慣などを調べる質問紙調査が行われる。


同テストは、一九八〇年代から続く子どもの体力低下に歯止めをかけようと、初めて実施される。
調査項目は実技が
(1)握力
(2)上体起こし
(3)座った状態で前屈する長座体前屈
(4)反復横とび
(5)二十メートルシャトルラン(往復持久走)=中二は持久力走とのいずれか一つ選択
(6)五十メートル走
(7)立ち幅とび
(8)ソフトボール投げ(中二はハンドボール投げ)。



加えて、筆記で児童・生徒に運動の頻度や休日の過ごし方など約二十問を質問、学校は体育行事の実施状況や体育専科の教員数など約十問を回答する。


結果は十二月をめどに都道府県と市町村、学校、児童・生徒本人に通知。
公表内容は、都道府県別や市町村別などになる見込み。


同テストについて、仲村守和県教育長は「昨年度の全国学力テストでは、無解答率が全国の二倍もあり、粘り強く問題を解く力が弱かった。体力テストは(市町村教委や学校が)児童・生徒が最後まで真剣に取り組むように指導してほしい」と話している。


(2008年5月8日(木)沖縄タイムス)   

2008年05月07日

問題持ち帰り容認/教員採用試験

県教育委員会は二日、二〇〇九年度教員候補者選考試験(採用試験)から、試験問題の持ち帰りを認め、一部の問題と解答をインターネットのホームページ(HP)で公開すると発表した。

一次試験は七月二十日、二次試験は九月十三―十五日に行われる


即日持ち帰りを認めることで、設問に誤りがあった場合、合格発表の前に採点から外すなどの措置が取れる


要項の配布は今月七日から十六日、願書の受け付けは十二―十六日まで。


問題と解答は、「一般教養」と「教職教養」を試験後の一週間以内に同委員会HPで、ほかの問題は県庁二階の行政情報センターなどでそれぞれ公開する。
これまでは最終合格発表後の十月中旬ごろ公開していた。


最終合格者は三百五―三百六十人を見込んでいる。


昨年度の採用一次試験で県教育庁は、六十点満点の「教職教養」科目を五―六点としたり、七科目十一問で正答を誤答とするなどした。


外部有識者から成る改善委員会の指摘を受けて試験方法やチェック体制も改善。
例年八月二十日ごろの二次試験を、九月にすることで一次試験の点検に時間をかけたり、担当者を従来の一人から二人に増員しチェック体制を強化する。
慣例で廃棄していたマークシートの解答用紙などの書類も一年間保存する。


(2008年5月3日(土)沖縄タイムス)  

2008年04月25日

特別支援「必要」5055人/県内小中学生

LDや多動で初調査

県内の公立小中学校の通常学級に在籍する児童・生徒のうち、特別な教育的支援を必要とする者は、五千五十五人で、全体の3・4%に当たることが二十五日、県教育庁のまとめで分かった。
学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向を把握するために行われた初の調査。


調査は二〇〇七年十二月から〇八年一月にかけて実施。
「授業中に席を離れてしまう」
「手足をそわそわ動かしたり、もじもじしたりする」

などの行動の特徴と、
「計算にとても時間がかかる」
「文中の語句や行を抜かしたり、繰り返し読んだりする」

などの学習面のつまずきについて、担任や特別支援教育コーディネーターらに尋ねた。


この結果、特別な支援を必要とする小学生は、全体の3・5%の三千五百十五人。
中学生は、全体の3・1%の千五百四十人だった。



同調査は医師による診断ではない。
仲村守和県教育長は「実態を把握し、特別支援教育を進めていこうと考えた」と調査の意義を説明。
「結果を踏まえて、学校には『気になる子』を責任を持ってフォローしてほしい」と語った。


現在、全小中学校に特別支援教育コーディネーターが配置されているほか、校内委員会の設置も各校で進められている。


〇二年に文部科学省が同様の方法で実施した調査では、全国平均は6・3%だった。


(2008年4月25日(金)沖縄タイムス)  

2008年04月23日

「問題難しかった」/全国学力テスト

全国の小学六年と中学三年を対象にした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が二十二日、約三万二千五百校(約二百三十二万三千人)で実施された。
県内は国公立、私立の小中学校四百三十二校と特別支援学校九校の約三万四千人が参加。

児童・生徒からは「応用力を問うB問題が難しかった」、教諭からは「問題を粘り強く解く集中力を生徒につけてもらう必要性を感じた」などの感想が聞かれた。


テストは算数・数学と国語の二教科。
基礎的知識を問うA問題と、B問題の二種類。
児童・生徒の学習環境や生活習慣などを聞く「質問紙」調査もあった。



那覇市立金城中学校(備瀬洋一校長)の男子生徒は、国語Bで統計資料を読み解き、自分の意見を記述する問題で苦労した。
「全体的に難しく感じた。もっと勉強して高校受験に生かしたい」。
女子生徒は県教育庁が毎年実施している達成度テストや昨年度の問題と比較し「よく読んで意味を理解しないと解けない問題が多くて難しかった」と話した。


同校の学力向上対策担当主任の伊良皆恭子教諭(数学)は「生活に密着した問題や答えを導き出す思考力を問うものなど、良問だった。記述式の問題で空欄が目立った」と話した。


同校は、数学Bのテストの開始前に給食時間を設けた。
学年主任の津波千恵子教諭は「昨年は四科目続けて問題を解いたため、生徒の集中力が切れ、最後の問題を解くころには疲れ切っていた。給食で脳に栄養を与えることで、粘り強く問題を解く子も増えたかもしれない」と期待した。


那覇市内のある小学校の六年生四人は「B問題が難しかった。疲れた」と声をそろえた。
男子児童は「国語Bは作文が多くて、時間も足りなかった」と渋い顔。
女子児童は「あんまりやったことない問題が多くて不安だったけれど、答えは書けるだけ書いた」と振り返った。
別の女子児童は「質問紙」調査について、「家庭学習をしているかとか、七十問以上も質問があったけど、なんであんなこと聞くんだろう。意味があるのかな」と戸惑いの表情を見せた。


沖縄タイムス社は、学力テストの問題と正答例、学校と児童・生徒への「質問紙」調査の項目をインターネットのホームページで公開しています。
アドレスはhttp://www.okinawatimes.co.jp



(2008年4月23日(水)沖縄タイムス)  

2008年04月23日

全国学力テスト 福沢諭吉の身長、「全然明るい」は正しい?

■実生活での活用力クッキリ

「全然明るい」は正しい?
 福沢諭吉の身長は? -。
小6と中3の児童生徒を対象に22日に行われた全国学力テストでは、学力を実生活に活用する力を意識した出題傾向が強まった。
文部科学省は昨年と出題の領域や分量に大きな変更はないとしたが、基本的な知識を問う「A問題」で学校生活を題材にした出題が目立ち、PISA(OECDによる学習到達度調査)型の学力を求める姿勢が一層浮き彫りになった。



算数・数学では小6のA問題で、「約150平方センチ」の面積について
(1)切手
(2)年賀はがき
(3)教科書の表紙
(4)教室の床
-の選択肢から選ぶ四択問題を出題(正解は(2))。
センチメートルという単位について肌身で理解しているかを調べた。


中3のB問題(活用)では、「明治期の文豪、樋口一葉の身長が140センチ台であることが判明した」との新聞記事を引き合いに、慶応義塾創設者の福沢諭吉の身長を出題。
上腕骨の長さから身長を推定する数式を活用させつつ、数学が意外な“謎”を解いてくれる一面をアピールした。


国語では、中3のB問題で、若者の間では肯定表現として使われることが多い「全然」の使い方に関するリポートを出題。
「全然明るい」という表現の賛否について、いずれかの立場に立たせて理由を説明させる約100字の“ミニ小論文で言葉に対する感度をはかった。


一方、前回誤答が多かった問題の類題も。
昨年の小6算数では「底辺×高さ」の公式で求められる平行四辺形の面積について、斜辺の数値など不要な情報を加えつつ、別の長方形の面積と比較させると、正答率が18%と低かった。
今回は底辺、高さのほかに斜辺の数値を示す単純な問題で、理解の正確さを調べた。


文科省によると、四十数年前の全国調査や近年の抽出調査と同一の問題が全教科で計25問出題されており、結果が注目されそうだ。


                   ◇


今回の全国学力テストを専門家に分析してもらった。

《国語》
宮川俊彦・国語作文教育研究所所長
「言語理解力や言語表現力の習得を目指す狙いが一層鮮明になった。
椋鳩十の『母グマ子グマ』など広範で多元的な力を見る題材が登場。
課題文の質は良化した。
ただ、長文の割に設問数が少なく生かし切れていない。
全般的に日常生活に関する出題に偏り、哲学や思想の領域は不十分。
分析力や論理力は把握できない。
国際比較調査を意識したのだろうが、国語は各国の教育の根幹であり、独自の基軸が打ち出されてよい。
学テはまだ過渡期。出題に工夫を重ねてほしい」


《算数・数学》
坪田耕三・筑波大教授
「問題の読み取りにハードな部分はあるが、全体的によく吟味されている。
小学校では前年も出された平行四辺形の面積で、条件を増やして自ら判断する力を試すなど、問題が若干改善された。
数学では新学習指導要領で小学校に移行される内容が多い印象も受ける。
知識中心のA問題でも、算数でランドセルなど身の回りの物の重さが問われるなど、教科書では解けない問題が多い。
立体造形や作図など、実践的な要素を取り込むといった授業改善の方向を示唆した問題だ」


(4月23日 産経新聞)  

2008年04月22日

学力テスト一斉実施/県内は441校参加

全国の小学六年と中学三年の全員を対象にした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が二十二日、一斉に行われた。


県内は、国公立、私立の小中学校四百三十二校と、特別支援学校九校が参加し、約三万四千人の児童・生徒が対象。
内訳は、特別支援学校を含む四百三十二校と琉球大学附属小学校、同中学校、私学は三育小を除く七校が受けた。


テストは国語と算数・数学の二教科で、それぞれ基礎的知識を問うA問題と、知識の活用力を調べるB問題がある。


那覇市立小禄南小学校(喜久川美沢校長)では、六年生百三十三人がテストを受けた。
午前八時四十五分からの一時間目は、国語と算数の基礎・基本を問うA問題。
問題冊子と解答用紙が配られ、児童は指示に従い名前などを記入、開始の笛が鳴ると落ち着いた様子で問題に取り組んだ。
生活習慣や学習環境などを聞く「質問紙」調査も行われ、午前十一時五十分にすべて終了した。


那覇市立金城中学校(備瀬洋一校長)では、三年生の二百五十五人がテストに臨んだ。
同八時五十分のチャイムの後に国語Aなどの問題用紙が配られ、生徒たちは真剣な表情で取り組んだ。
午後からは「質問紙」調査が行われる。



(2008年4月22日(火)沖縄タイムス)  

2008年04月21日

意欲わく授業 実践/城北小・城北中(那覇)天願小(うるま)

児童・生徒の学力向上に向け、県教育委員会は二〇〇八年度から効果的な指導法や教材を探る実践研究を始めた。
文部科学省の委嘱事業で、指定校は那覇市の城北小学校と城北中学校、うるま市の天願小学校の三校。
一〇年度までの三年間、学ぶ意欲や主体性を引き出す授業づくりを進める。
全国学力テストのB(活用)問題や、経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査に対応できる学力を育てたい考えだ。



城北中は新年度から国語科で論理的思考力、表現力を高める授業の工夫に取り組んでいる。
昨年の全国学力テストで国語、数学とも県平均を上回ったが、意見や感想を表現したり、論理的に発表したりする力に課題があるという。


授業では論説文の読解や図表の分析、絵画や写真が伝える情報の読み取りなどを新たに取り入れる。
内容について根拠を示しながら意見を書いたり、発表したりする学習で思考力、判断力、表現力を養う。
これまで国語に苦手意識のあった生徒が斬新な発想の意見を出し、積極的に授業に参加するなどの効果がすでに出始めたという。


国語科主任の宇江城みどり教諭は「生徒の中にはワークシートなどを使う受動的な学習は得意でも、応用力や想像力の乏しい子も目立つ。
実生活に活用できる力が必要だ
」と説明。
指定校としての実践について「これまでの指導の発想を転換するチャンス。苦手意識のある子が自分を生かせる場面を多くつくり、学力の底上げを図りたい」と意欲的だ。


城間幹子校長は「全国的にも国際的にも求められる学力が変わってきている。今やっている勉強が将来の夢に結び付くような学習で、子どもたちの意欲を引き出したい」と話した。



(2008年4月20日(日)沖縄タイムス)